留学生をITエンジニアとして採用するときに知っておくべき5つのポイント

2019年、外国人留学生は31万人を突破しました。2020年は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、留学生の人数が減小すると言われていますが、長期的に見ると今後も日本政府は外国人留学生の受け入れを積極的に行っていくことが予想されます。エンジニア不足に悩んでいるIT企業にとって、語学も堪能な留学生は魅力的に感じる企業も少なくないのではないでしょうか。

今回はエンジニアとして留学生の新卒採用を考えている企業へ向けて、知っておくべき採用の5つのポイントを紹介します。

留学生のエンジニア採用で成功させる5つのポイント

1.求める人物像を明確にする

留学生を採用するにあたって、採用ターゲットを明確に設定しましょう。日本人と大きく異なるのは、言語です。外国人を採用したい理由が、たとえば「オフショア開発のためのブリッジの役割として」「グローバル展開を考えているため」など事業のビジョンや役割が明確の場合は、言語を求める条件として明確に設定するでしょう。

逆に「エンジニア不足なので、日本人の代わりに採用したい」「言語も堪能でなんとなく優秀そうなので採用したい」場合など、役割が明確でなくても採用したいケースもあります。その場合でも、「日本語もネイティブレベルで英語も話せる欧米人で、エンジニア要素も高くて、真面目な人材で、、」など採用市場にそのようなレベルの高い留学生は、引く手あまたでしょう。

そのため、本当に必要な人物像を社内ですり合わせをまず最初に行いましょう。詳しくは、【外国人雇用専門家が伝えたい】外国人採用で一番重要な「ターゲティングとメッセージング」で解説していますので、参考にしてください。

【日本語レベル】に関する記事を読む

2.留学生へのメッセージング

求める人物像がクリアになり、次に行うことはメッセージングです。前段で紹介した【外国人雇用専門家が伝えたい】外国人採用で一番重要な「ターゲティングとメッセージング」の記事内でも説明の通り、ターゲットにあったメッセージを用意することが前提です。

説明会で留学生からの一番多い質問は、「なぜ外国人を採用したいのか」。留学生は、日本で働くモチベーションが非常に高いのですが、その熱がまだまだ日本企業には伝わっていなく、採用する企業はメジャーではありません。そのため、彼らは就職活動自体を難しいことと考えています。そのため、自分たちを強く必要としてくれる企業こそ活躍できると考えているので、外国人を採用したい理由を是非説明会や採用HPで伝えていきましょう。

また留学生は、キャリア志向が強いため、入社後どのような経験ができるのか、キャリアパスがあるのかを気にする学生が多いです。どのような人材になって欲しいか、またエンジニアはキャリアパスパターンが複数あるので明確に選考時に伝えることで、入社後のギャップも防げます。

3.現場社員の面接同席

最終面接前に現場社員に同席してもらう場を設けることを推奨します。なぜなら、入社後、発生しやすいトラブル一つとして、現場とのコミュニケーションギャップがあげられます。このトラブルの大半は、経営者や人事が外国人を雇用する目的や意図を社内・現場に向けて共有していなかったことが原因です。

その結果、現場社員が「日本語ネイティブじゃないし、教える時間がかかるので受け入れは大変」などネガティブイメージのままコミュニケーションをするため、上手く関係性が構築できません。

そのため、まず現場社員になぜ外国人を受け入れるのかを共有した上で、一緒に働く現場社員に面接に同席してもらいましょう。エンジニアの業務上、直接のコミュニケーションよりもテキストコミュニケーションのほうが多いと思います。距離も縮めることも容易ではないので、まず現場社員が留学生の人柄や思考を知ることを優先しましょう。留学生の実態を知ったほうが、ギャップも少なく外国人の受け入れの理解が深まります。

また入社予定の留学生の日本語レベルやスキルを事前に知ることで、オンボーディングの設計にもプラスに働きます。

4.在留資格(就労ビザ)の手続き

在留資格(就労ビザ)の一通りの流れを事前に把握しましょう。その中で、企業側、もしくは行政書士に依頼をして、在留資格の申請のサポートを行うか、留学生本人に申請手続きをしてもらうか事前に決めておく必要があります。

留学生側もできれば企業側で申請手続きを行ってほしいと考えていることが大半なので、気になるポイントなので選考時の質問になる可能性があります。

また在留資格の申請は、約2~3ヵ月かかるので、採用時期によっては手続きがタイトスケジュールになります。

在留資格(就労ビザ)の申請については、以下の記事を参考に準備を進めてください。

5.内定者フォロー

内定を出した留学生に確実に入社してもらうために、内定者フォローも欠かせません。基本的に内定者フォローは、日本人の学生と同様のフォローで問題ありません。

しかし留学生から「就職後の生活で気になる小さな疑問などがあるけど聞けない」といった声も聞くことも少なくありません。

在留資格の申請などで日本人の学生よりも接点も密になることが多いはずなので、「入社前に困っていることはないか」「引っ越しの手続きなどは順調か」など、本人が困っていることが話せるようなコンタクトを取ることを心掛けましょう。コンタクトの数を増やすことで、本人も聞きやすい心理状態になります。

まとめ

今回は留学生をエンジニアとして採用する上で、人事が知っておくべきポイントを解説しました。はじめての外国人採用では、まず1人でも多くの留学生に会うことが重要です。

イメージが浮かばないうちは、人物像のイメージも荒くなってしまいますが、会うことで留学生のイメージもクリアになります。クリアになった上で、再度人物像のすり合わせをしてブラッシュアップすることで、自社で欲しい人材が採用できるような環境になるでしょう。