言葉や文化が異なる外国人の採用面接では何を質問すればいいのか分からないと不安に思う採用担当者の方も多いのではないでしょうか。外国人の雇用は労働力不足を解消するために必須となりつつありますが、採用のミスマッチが多いのも事実です。
そこで、今回は外国人採用を成功させるために面接で訊くべき質問をまとめました。採用担当者の方は今記事をぜひ参考にして、会社の成長と発展を担える外国人材を確保してください。
目次
面接を行う前の注意点
ビジネス業界のグローバル化が著しいなか、日本企業が外国人の採用面接をする際には次の注意事項に十分配慮しなければなりません。
国籍を理由とした差別的取り扱いの禁止
日本で働く外国人には日本の労働法が適用されることになります。特定の国籍を理由として不採用とすることは「差別的取り扱い」に当たり、法律で禁じられているので注意しましょう(憲法第14条、労働基準法第3条、職業安定法第3条など)。
外国人からの質問には明確に応える
外国人にも個人差がありますが、面接で外国人からの質問にあいまいに応えると、ミスマッチが生じやすくなります。例えば外国人から「仕事の範囲」「残業の有無」「昇進・昇給」などを訊かれたときは、回答を明確にしておかなければ、採用後に「話が違う」という理由で早期退職するケースが少なくありません。質問を受けたときは、はぐらかさずに明確に応対するのが外国人採用を成功させるコツの一つです。
外国人採用を成功させる面接質問集
外国人の採用面接でするべき質問事項は次の4つに分けられます。
- 来日の理由に関する質問
- 日本の印象に関する質問
- 学歴・経歴・人柄に関する質問
- 志望動機・希望職種・諸条件に関する質問
それぞれ見ていきましょう。
1. 来日の理由に関する質問
どのような目的で来日したかに関する質問では、日本で働く意気込みを確かめることができます。例えば「日本のアニメ・ドラマが好きだから」「日本の食べ物が好きだから」「日本の文化が好きだから」などの理由は日本社会に馴染むうえでは好ましいですが、日本で働きたいという熱意を感じ取ることはできません。
母国を離れて遠い国の日本で働こうとするには相応の理由が必要です。賃金の良さや家族を養うためといったケースも多いですが、どのような理由であっても日本で本気で働く覚悟がある外国人は、来日理由に関して納得できる答えを持っています。
- どうして日本に来たのですか?
- なぜ日本で働きたいのですか?
- どうして日本に留学したのですか?
- 日本で何を学びたいですか?
- 来日することになったきっかけを教えてください
- 仕事・勉強以外では何をしたいですか?
2. 日本の印象に関する質問
外国人にとって話しやすい話題なので緊張をほぐすのに効果的で、本来のコミュニケーション能力を確認することができます。また面接で日本の悪いところや問題点を素直に指摘できる外国人は、企業のグローバル化や職場のボーダーレス化を進めるうえで必要な気質です。会社の成長を促す外国人材を見極める質問は次のとおりです。
- 日本の印象について聞かせてください
- 日本の良いところはどこだと思いますか?
- 日本の悪いところはどこだと思いますか?
- 日本に来て困ったことはどんなことですか?
- 気になるニュースがあれば教えてください
- 日本社会・職場環境の改善点があれば教えてください
3. 学歴・経歴・人柄に関する質問
外国人の学歴・職歴を把握するとともに、人柄や過去の素行に問題がないかをチェックすることも大切です。特に滞在中の外国人に対しては「在留資格外の活動をしていないか」「犯罪行為に関わっていないか」を確認することは採用後のトラブルを避けるために重要です。
また来日して困った時にどのように対処したかを訊くと、「ストレス耐性」「問題処理能力」「日本社会への順応性」を判断する材料にもなります。言葉や文化が全く異なる国で生活・就労するわけですから、日本で働くだけの精神的な強さ・タフさがあるかを質問で確認することは、早期離職を避けるために必要です。
- これまでどんなことを勉強してきましたか?
- どんな仕事(アルバイト)をしてきましたか?
- 仕事で発生した問題に対してどのように対処したかを教えてください
- 職場の同僚や上司とはどのような関係を築いていましたか?
- 日本の職場に合わせるためにどのような工夫や努力をしましたか?
- あなたはどのような性格ですか?
- あなたの長所と短所を教えてください
- 学生時代に打ち込んだことはありますか?
- 今までで一番嬉しかったこと・一番つらかったことは何ですか?
- 日常生活で抱えている悩みはありますか?
- リラックス方法を教えてください
4. 志望動機・希望職種・諸条件に関する質問
数ある日本企業のなかでも自分の会社を選んだ理由を訊くことは、「会社の目標」「職務内容に対する理解度」「協調性」「向上心」を確認することができます。日本で働ければどんな会社でもいいと考えている外国人の場合、このような質問に対する回答はぼやけたものになります。
長く働いてもらうためには、会社の方針や目標、採用予定後の業務内容を細く伝え、意見をすり合わせることが大切です。希望職種に関する質問では「どのような仕事ができるのか・したいのか」「仕事を通じて成し遂げたいことは何か」を確認し、本人の能力・資質と与える職種とのミスマッチを避けましょう。
- 弊社の印象を教えてください
- 弊社に応募した理由を教えてください
- 弊社でどのような仕事をしたいですか?
- 弊社があなたを採用するとどのようなメリットがありますか?
- 弊社以外にどのような会社に応募していますか?
- 弊社はグローバル社会でどのような存在になるべきだと思いますか?
- 仕事で成し遂げたいこと・挑戦したいことを教えてください
- 希望する勤務地はありますか?
- 転勤は可能ですか?
- 希望する給与額を教えてください
- 残業が可能な条件を教えてください
- 休日出勤が可能な条件を教えてください
採用でミスマッチを減らすには?
求職者に自社の説明をする際に、日本語だけでの説明では、外国人求職者に内容が全て伝わっていない可能性があります。求人内容や会社情報の認識にギャップが生まれてしまうと、外国人は企業に不満を持つ大きな要因となってしまい、早期退職につながる恐れがあります。
そのため、すでに外国人を採用しているのであれば、自社の外国人社員を活用し、英語や共通の言語で説明してもらうことが解決策の一つに挙げられます。Jopus Connecterなら自社の外国人社員を活用して、優秀な外国人を採用することが可能です。求人の掲載は無料、採用は成功するまで費用はかかりません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。今般の臨時国会で入国管理法の改正が決定され、日本は外国人労働者の採用に向けて大きく舵を切りました。単純労働分野でも外国人採用の道が開かれたため、外国人の採用面接を行う機会はますます増えるでしょう。企業の採用担当者の方はぜひ今回の質問マニュアルを活用し外国人採用を成功させてください。
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