コロナ禍でも国外にいる外国人は採用できる?事例を基に解説

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、2020年の在留外国人数は前年比-4万6021人の288万7,116人となり、8年ぶりの減少となりました。感染の収束は未だ見えず、企業・外国人求職者ともに厳しい状況が続いています。

一方で、リモートワークやオンライン面接が一般的になったことで、求職者と直接合わなくても採用活動を行うことが可能となりました。リモートワーカーとしての採用であれば、国内だけでなく、国外にいる外国人も採用のターゲットにすることができます。今回はコロナ禍における外国人採用の方法を、事例とともに解説します。ぜひ参考にしてみてください。

【新規入国に関する制限措置】
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、2021年8月24日現在、上陸申請日前14日以内に160の国・地域に滞在歴のある外国人については、「特段の事情」がない限り、上陸を拒否しています。

【2021年度版】コロナ禍で在留期間の更新手続きどう変わる?

残念ながら現在は入国制限がかかっているため、オンラインで現地の外国人を採用しても、彼らは来日できません。日本で働いてもらうことを検討している場合は、入国制限が解除されるのを待つしかありません。

それでは現地の外国人を採用したい場合はどうすればいいのでしょうか?現地に支社がある場合は、外国人を現地でそのまま働いてもらうことができます。しかしそうでない場合は、海外からリモートワークで働いてもらうことを前提とした契約を結ぶことになります。以下では2つの場合に分けて解説します。

現地に支社がある場合

現地に支社がある場合、外国人を採用し、現地で働いてもらうことができます。コロナ禍でも外国人を現地で採用したい場合、主な方法は3つあります。

現地でリファラル採用を行う

現地に支社がある場合は、現地メンバーの「コネクション」をうまく活用しましょう。Jopus Biz編集部が行ったアンケート調査によれば、外国人社員はリファラル採用に非常に積極的であることが判明しています。現地の外国人社員に、なぜ採用したいのか、どのような人材を求めているか伝え、協力してくれるよう依頼してみましょう。

外国人社員のリファラル採用ガイドブック

外国人採用においてリファラル採用は、2人目以降の優秀な外国人を採用するために有効な採用手法です。本書では採用担当者が押さえておくべき外国人のリファラル採用の導入手段、ポイントを紹介します。34ページの資料を無料でダウンロードすることが可能です。

ダウンロードはこちらから

外国人特化の採用サービスを利用

外国人を採用する上で、求人広告・エージェントサービスの利用は大きな味方となってくれます。自社の希望にあった人材を現地で探してくれるため、工数をかけず国外の外国人を採用することが可能です。

採用サイトの多言語化

現地の外国人が自社のことを知ってもらうきっかけの一つに、ホームページへ訪問することが挙げられます。その際、自社のホームページに採用専用サイトを作成しておくことで、余計な工数・費用をかけずに外国人を採用することが可能です。またその際に、採用サイトを多言語化しておくことで、企業情報や求人情報を正確に発信することができます。日本語が流暢な外国人の場合でも、母国語での方が正確に情報を得ることができ、エントリー前のミスマッチも減らすことができます。

コロナ禍で外国人を採用した実例

Jopus Bizを運営する株式会社ゴーリストでは、日本語だけでなくベトナム語の自社サイトを運営しています。ベトナム語ホームページで求人を募集したことで、コロナ禍でも、たった10日間で日・英・ベトナム語を話せるトリリンガル人材の採用に成功しました。どのようにして募集から内定まで至ったのか、ご紹介します。

1. 希望の人材像を設定

まず最初に、自社で必要な人材を定義します。今回は日英ビジネスレベル、カスタマーサポート経験あり、中途で採用を検討していました。しかし、あまり採用の要件を絞ると募集がなくなってしまうと現地メンバーからアドバイスをいただいたため、採用要件を新卒でも可能としました。

2. 求人票の作成

人材像が設定されたら、求人票を作成します。日本語で求人票を作成後、社内メンバーに英訳を依頼し、完了後すぐにベトナム語自社サイトに掲載を完了しました。

3. 求人票のSNS拡散

求人票作成後、ベトナムメンバー10名ほどにFacebookをはじめLinkedinなどのSNSで拡散を依頼しました。ベトナムで知名度もなければ、大手企業でもない弊社でも、拡散4日目にして180UUのユーザーが採用専用サイトに訪れました。

4. オンライン面接

現地のメンバーが、求職者の応募対応を行ってくれたため、母国語でのやり取りでレジュメ回収、面接設定を行えました。結果的に4名の候補者とウェブ面談を実施しました。面接では、実務レベルの語学レベルを持っているか確認したかったため、語学テストも面接内で実施しました。

5. 内定

日本語・英語を活かして仕事をしたいという新卒のメンバーの採用が決定しました。内定の連絡後、ベトナム支社で契約を行い研修を行いました。

【多言語サイトの作成をお考えの方へ】

Jopus Bizを運営する株式会社ゴーリストでは、受託事業を行っております。採用サイトの多言語化を検討している方は、ぜひお問い合わせページよりその旨をお伝えください。担当者より連絡します。

現地に支社が無い場合

現地に支社がない場合は、外国人をオンラインで採用し、リモートワークで海外から働くことが条件となります。そのため、職種は必然的にパソコンを使ったデスクワークに限られます。具体的には、SEやプログラマー、デザイナーなどが挙げられます。

外国人を現地で採用し、リモートワークで働かせることのメリットの一つに、在留資格の手続きをする必要がないことです。在留資格は、外国人が来日し国内で働く場合のみ必要になります。そのため、来日できない現在は在留資格の手続きをせずに、現地で働いてもらうことができます。その際、アフターコロナを見据えて将来日本で働きたいか、希望を聞いておくことをおすすめします。

外国人をリモートワークで働かせる場合の注意点

雇用形態

リモートワークで採用する場合、雇用形態は正社員、契約社員、業務委託契約など様々な契約形態が考えられます。日本の社会保険制度や税制度と各国の制度の違いもあり、業務委託での形態が初期段階では多いです。採用時に企業と外国人求職者との間でよく確認しておきましょう。

コミュニケーションの取り方

リモートワークで採用する場合、コミュニケーションの取り方に工夫が必要です。社内でメールやコミュニケーションツールを利用している場合でも、顔が見えない分微妙なニュアンスが伝わらない可能性があります。可能ならば、文章のやり取りではなくビデオ会議サービスなどを用いて、コミュニケーションを取ることをおすすめします。また、言語の問題等から意図が伝わらないこともあるので、指示を出した場合はしっかり理解できているか確認をすることが重要です。

外国人社員はコミュニケーション不足から孤独感を感じやすい傾向にあります。リモートワークでは、コミュニケーションの機会がさらに減ってしまいがちです。外国人社員の負担を減らすためにも、企業側から外国人社員に1on1などのコミュニケーションの機会を提供するようにしましょう。

▶︎「外国人社員とのコミュニケーション」に関連する記事をみる
【い‌ま‌す‌ぐ‌使‌え‌る‌質‌問‌例‌あ‌り】‌外‌国‌人‌社‌員‌が‌辞‌め‌な‌い‌組‌織‌作‌り‌に‌欠‌か‌せ‌な‌い‌の‌は、‌1on1‌?
【外国人が感じる入社後ギャップとは?】離職率を減らす方法を紹介
【外国人雇用専門家が教える】入社後3年以上辞めない外国人受入れの3つのコツ

日本との時差

現地で働くとなると、日本とは時差が生まれます。働く時間にずれが生じてしまうとスムーズな連携に支障をきたすケースが出てきます。タスクの期限やミーティングの時間を日本基準にするのか、現地基準にしておくのかあらかじめ決めておきましょう。

ネット環境はどうか

リモートワークには通信が安定しているネット環境が必要です。日本と同じようなインターネット環境が必ずしも整備されているとは限られていません。ラグが生じてしまうと仕事に影響が出たり、コミュニケーションを取るにあたって大きなストレスとなってしまいます。採用時に自宅のネット環境についてSpeedテストなどで確認し、会社でネット環境の準備をする必要があるか確認しましょう。

まとめ

新型コロナウイルスの影響で、外国人が入国できない状況が続いていますが、外国人をリモートワークで採用することは可能です。特に、外国人採用が下火になっているコロナ禍は、国外にいる優秀な外国人を採用する絶好のチャンスだと言えます。ぜひ国外にいる外国人を採用してみてはいかがでしょうか。


【メルマガ登録】
Jopus Bizでは、外国人採用に関わるサービスや最新の法律・時事ニュース、外国人採用成功事例などをメールマガジンとしてお届けしています。メールマガジンの配信をご希望される方は下記フォームよりお申し込みください。

    会社名 (必須)

    ※正式名称をご記入ください。

    お名前 (必須)

    役職名

    外国人雇用経験(必須)※選択制

      

    メールアドレス (必須)

    ※ご送信の前に「同意書」を必ずお読みください。

    同意する