国内での人材不足により、即戦力として外国人エンジニアを採用する企業が増えています。その一方で、せっかく採用したのに優秀な外国人がすぐに辞めてしまうといった声もあるようです。
しかし、外国人社員の離職率は日本人と比較して高いのでしょうか?株式会社ディスコが2020年12月に公表した「外国人留学生・高度外国人材の採用に関する調査結果」によれば、入社3年後の離職率について、外国人留学生の離職率が日本人社員より高いと回答した企業は全体で21.2%となっています。一方で、外国人留学生の離職率が日本人新卒社員より低いと回答した企業は13.6%となっています。
つまり、外国人社員と日本人社員の離職率にそれほど大きな差はなく、会社の受け入れ体制次第で定着・活躍が可能なのです。そこで今回は、実際に外国人エンジニアが定着し、辞めないようにするポイントを3つご紹介します。外国人エンジニアを採用している企業の方はぜひ参考にしてみてください。
日本人社員とのコミュニケーション機会の提供
外国人エンジニアは社内で孤独感を感じてしまうと、離職率が高くなる傾向にあります。株式会社パーソル総合研究所が2020年に公表した「日本で働く外国人材の就業実態・意識調査」によると、32.6%もの外国人正社員が「私は孤立しているように思う」と回答しています。また、孤独感が高い層は、「ジョブ・パフォーマンス」「継続就業意向」「会社満足度」が低く、転職意識も高くなってしまう調査結果が発表されています。
なぜ外国人エンジニアは孤独感を感じやすいのでしょうか。その原因として、社内で不満・不安を話すことができないことにあります。パーソル総合研究所のデータによると、外国人社員は「昇進・昇格が遅い」「明確なキャリアパスがない」といったキャリアへの処遇について不満を持っています。また、母国を離れ似た境遇の人が少ない環境で働くことは、ストレスとなるでしょう。しかし、言語の問題等からこういった不安や不満を共有することができず、その結果孤独感を感じてしまうのです。
では外国人エンジニアを孤独にしないようにするにはどのような対策を打てばよいでしょうか。例えば、上司との1on1の時間を設定することが一つの解決策として挙げられます。仕事を進めるうえでの悩み・不安を共有してもらうことで、孤独感を減らすことが可能となります。また、上司との信頼関係を築くことができ、定着やさらなる活躍に繋がることが期待されます。
また、上司だけでなく職場の同僚とのコミュニケーションを促進することも重要です。日本独特のスタイルである新卒の一括採用は、同期入社社員の横の繋がりを強くします。そのため、中途入社した社員の中には仲間に入りづらいと考えてしまう社員も存在します。日本語が流暢ではない外国人エンジニアはなおさら関係を築くのは難しいと感じてしまいます。
2020年に世界的に感染が広がった新型コロナウイルス感染症の影響により、リモートワークを行っている企業が増えており、オフィスで仕事をしていた時に比べてコミュニケーションが減ってしまうことが問題視されています。職場の日本人との間に距離を感じてしまいコミュニケーション不足に陥ってしまうと、社内で外国人は孤独感を感じてしまい、そのまま転職してしまう可能性が高くなってしまいます。会社側から定期的にコミュニケーションを取れる場を設定し、外国人エンジニアの孤独感を減らす工夫をしてあげることが大切です。
フレックスタイム制度・リモートワークの導入
外国人エンジニアは、企業にフレックスタイム制度とリモートワークが導入されているかを重要視する傾向にあります。なぜなら、日本人社員よりもプライベートと仕事のバランスを重要視する外国人社員にとって、効率的に働くことができるかは転職時に重要な決定要素となるからです。
また、バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」を運営するヒューマングローバルタレント株式会社の調査結果によれば、コロナ禍においてグローバル人材が転職時に重要視することについて、第1位に「リモートワークの有無」、第3位に「働く時間の重要性」がくる結果となっています。フレックスタイム制度とリモートワークの導入は外国人エンジニアの離職率を下げる効果が期待できます。
さらに、成果物に対する評価について重要視するエンジニアは、生産性や合理性を非常に重要視します。始業・就業時間が決まっている、働く場所が決まっているといった生産性に結びつかないルールがある会社には、「古くさい」「伝統に縛られている」といったネガティブな印象に繋がる恐れがあります。
フレックスタイム制度とリモートワークの導入にはデメリットも生じます。例えば社員によってはルーズさが増してしまい、仕事をさぼってしまうことが挙げられます。そのため、コアタイムを設定するなど一定の制限を設け、業務に支障が出ないようにすることをおすすめします。
参照:厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の出引き」
採用時にミスマッチを減らす
外国人エンジニアの離職率を下げる対策として最も重要なことは、採用時でのミスマッチを減らすことです。株式会社パーソル総合研究所の「日本で働く外国人材の就業実態・意識調査」では、入社前に想定していたイメージよりも悪かったことがあると感じた外国人社員は、離職意向が高まってしまう調査結果を発表しています。
また、株式会社ゴーリストが行った外国人求職者へのインタビューでは、「雇用形態について、事前に聞いていた情報を勘違いしていたことが入社後に分かった。」「入社前に聞いていた情報と勤務時間が違った。」という声が多く集まっています。言語・文化的な背景から、企業がしっかりと説明した気でも、外国人には伝わっていないといったことが多々起こってしまうようです。
そのため、入社前には条件面、仕事内容、評価制度などを詳細に説明する必要があります。特に評価基準に関しては、認識にギャップが生まれてしまうと、外国人エンジニアが企業に不満を持つ大きな要因となってしまいます。大枠の説明だけでなく「〇〇歳で〇〇の業務を担当、年収〇〇万」、「〇〇を達成すると昇格する」といったように具体的な説明をするようにしましょう。
また、求職者に自社の説明をする際に、日本語だけでの説明では、外国人求職者に内容が全て伝わっていない可能性があります。そこで外国人をすでに雇用しているのであれば、自社の外国人社員を活用し、英語や共通の言語で説明してもらうことも一つの手です。入社前に求職者とコミュニケーションを取り、不安・悩みを解消してもらうことで、スムーズなオンボーディングへと導き離職率を下げることが可能となります。
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まとめ
今回は外国人エンジニアの離職率を下げるポイントを3つ紹介しました。今後少子高齢化がさらに進む日本において、外国人エンジニアはますます増えていくことが予想されています。そのため、外国人エンジニアが定着し、活躍する環境を整えることは多くの企業にとって必要となりそうです。ぜひ今回紹介したポイントを参考にしてみてください。