「外国人採用」と聞くと、大都市にある大手企業がしている採用手法と想像する方も多いのではないでしょうか。確かに外国人は都市部に集中して住んでいますが、実は地方に移住する外国人も多いのです。今回は、外国人が都市でなく、地方を選ぶわけについて解説します。地方の中小企業が外国人に選ばれるためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。地方での外国人採用のヒントについても解説します!
外国人は日本のどこにいるのか
出入国在留管理庁が2020年12月末に公表した「在留外国人統計表」のうち、都道府県別の在留外国人数を見てみると、1位は東京都の56万180人で、続いて愛知県の27万3784人、大阪府の25万3814人と続いています。日本の首都である東京や、愛知県、大阪府など大都市に外国人が集中しているのがわかります。
大都市に外国人が集中している理由としては、多くの企業の本社や大学などの教育機関が豊富にあるからです。また、大都市は観光業が盛んな場合も多く、インバウンド関連の業務に従事する外国人も大都市に集中しがちです。
そのほか、愛知県や大阪府などは、日本を代表する企業の工場が集中してる地域です。そのため、製造業関係の業務に従事する外国人が多く集まっています。
都市部から地方へ
上記の説明の通り、外国人は都市部を中心に住んでいます。しかし一方で、2020年の新型コロナウイルス感染症の影響で、都市部から地方へと移住している人も近年増加しています。
総務省が2021年7月27日に公表した「住民基本台帳人口移動報告 2021」によると、東京都や大阪府では転入超過数が前年から大幅に減少しています。一方で長野県や山梨県、滋賀県では転入超過数が増加傾向にあり、都市部から地方へ移住する方が増えていることがわかります。
新型コロナウイルス感染症の影響で、都市部の人混みを避ける人が増えています。日本人だけでなく、外国人も地方へ移り住むことが多くなっており、外国人採用をしたい地方企業にとっては追い風となっています。
外国人求職者が地方を選ぶ理由
なぜ外国人は地方に移住するのでしょうか?その主な理由は2つあります。1つ目は「住む場所へのこだわり」、もうひとつは「好条件の仕事」がある場合です。それぞれの理由について詳しく解説します。
外国人は住む場所へのこだわりがある場合が多い
日本のアニメや文化に興味を持って来日する外国人は少なくありません。彼らにとっては、それらの文化に直接触れられる場所に住みたいと考える場合が多く、例えば、歴史的建造の多い地域や温泉地域などに住居を求める場合があります。
また、新興国出身の外国人ですと、母国での移動手段がバスや自動車のみなど限られている場合があります。それらと比較すると、日本国内の移動に関しては交通網が発達しているため、地方在住であっても、大都市圏にアクセスしやすいという利点があります。ですので、生活費の安さなどを考慮して地方に住む外国人も多くいます。
地方企業は、企業そのものの魅力を伝えることも重要ですが、会社のある地域のメリットなども合わせて伝えらえると、より外国人材を採用しやすくなる可能性があります。
例えば、県や市町村が子育て支援などの施策を打ち出している場合、将来日本での子育てを検討している外国人にとっては非常に魅力的なポイントになり得ます。企業そのものの魅力と地域の魅力を掛け合わせることでさらに、求職者のニーズにマッチしたアピールをできるようになります。
希望の仕事であれば、地方でも働きたい
日本人と同様に、自分の希望する業務や給与の条件などが良いのであれば、どこでも働きたいと考える外国人は少なくありません。特に外国人の場合、母国に家族を残して来日してきている人も多く、家族への仕送りを少しでも多くしたいと考え、給与の良い会社を選ぶこともあります。また、報酬をより多くもらうために、キャリアップに積極的な人も多いです。
一方、やりたい仕事が明確な外国人は、担当したい業務内容がはっきりしているので、その業務を担当できるかどうかを重視して就職活動をしています。大都市圏などは外国人向けの求人も多いですが、ライバルも多い地域になります。ですので、不要な競争を避けて地方での就職を目指す人もいます。
地方企業に限らず、自社でできる業務内容や報酬、キャリアアップに関する条件などを明確化しておくことが重要です。外国人の場合、成果に対する報酬が給与と考えている人も多く、「これだけ頑張ったのになぜ給与が上がらない?」と不満に感じてしまう場合があります。ですが、報酬やキャリアアップなどの条件を明確化している日本企業はそれほど多くありません。ですので、一歩先んじて業務内容や報酬、キャリアアップの条件の明確化を行えれば、地方企業であっても自社に合った外国人を採用できる確率が上がります。
これからの外国人採用の可能性
新型コロナウイルス感染症拡大の影響などによって、今までは会社への通勤圏内に住まざるを得なかった人々が、今後はリモート勤務など新しい働き方で仕事をする人が増えてくるでしょう。そのような人々が増えることで「なぜこの場所で仕事をする必要があるのか?」と考える機会も増加してくると考えられます。
今までも、都市部から地方へ移動する外国人は多数存在していましたが、今後はさらに、大都市圏以外へ移住する外国人が増える可能性は十分にあり得ます。都市以外に住むことを検討する外国人が増加すれば、必然的に地方でも外国人材を採用できるチャンスが増えます。また、都市在住の外国人であっても、リモート勤務が可能な職種であれば、地方企業でも採用がしやすくなるでしょう。
外国人採用のチャンスを逃さないためにも、会社の給与やキャリアアップの条件の明確化、各地域の支援策や補助金などの確認をして、外国人採用に備えておくとよいでしょう。
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まとめ
地方でも外国人を採用する企業が増えてきています。今後は、多様な働き方をする人が増加してくると見込まれているなかで、外国人も同じように働き方を見直す人が増えてくる可能性があります。そのような状況下で、地方の企業が外国人採用を成功させるためには、各県や自治体の支援施策が活用できないか調査したり、会社の働き方やキャリアアップを改めて見直すことが重要です。まずは、自社のアピールポイントを見直すことからはじめてみてはいかがでしょうか。
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【参考】
日本貿易振興機構(JETRO):2018年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2019年3月)
日本貿易振興機構(JETRO):地方にも広がる外国人材ニーズ「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」から考察
出入国在留管理庁:在留外国人統計(2020年12月)
総務省:住民基本台帳人口移動報告 2021年(令和3年)6月結果
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