【最大60万円支給】外国人雇用で活用できる助成金4種比較

日本では現在、積極的な外国人材の受け入れが行われており、外国人を採用する中小企業が年々増加しています。それらの企業のなかには、助成金をうまく活用している企業もいます。助成金制度を利用して外国人社員のスキルアップを図るなど、さまざまな雇用支援に活用しています。

そこで今回は、外国人採用や外国人雇用で利用できる助成金4種類を「助成の目的」「助成の対象者」「助成金の支給額」別に比較しました。各助成金ごとに特徴がありますので、目的に沿った助成金選びの参考になさってください。

外国人の採用や雇用で利用できる助成金

助成金とは、主に厚生労働省から企業に給付される返済不要の資金援助のことです。助成金は、大きく2つに分類でき、雇用関係の助成金と、研究開発関係の補助金に分けられます。例えば、雇用関係の助成金の場合、「採用から定着までに関わるもの」、「就業者のスキル向上に関わるもの」など、さまざまな助成金を組み合わせて活用することも可能です。

2020年5月現在では、「外国人を採用していること」ことだけが要件となる助成金は存在していませんが、外国人採用や雇用で利用できる補助金は複数存在しています。

各種助成金の比較

外国人採用や外国人を雇用した際に利用できる主な助成金は以下のものなどがあります。

今回は、上記4つの助成金を「助成の目的」「助成の対象者」「助成金の支給額」別に比較します。

助成の目的

助成金の支給を受けるためには、各助成金の目的を知った上で、自社の求めている援助に合った制度を選ぶことが大切です。

助成金名助成の目的
雇用調整助成金
(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)
経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員に対して一時的な休業や教育訓練または出向させるための費用をサポートし、解雇を回避するため
参考:厚生労働省「雇用調整助成金パンフレット」
トライアル雇用助成金
(一般トライアルコース)
一定期間の試行雇用を促し、求職者の適性や業務が遂行できるかなどを見極め、早期就職の実現や雇用機会の創出を図るため
参考:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
キャリアアップ助成金
(正社員化コース)
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進させ、非正規雇用労働者の正社員への格上げ、処遇改善などの取り組みを促すため
参考:厚生労働省「キャリアアップ助成金パンフレット」
人材確保等支援助成金
(働き方改革支援コース)
働き方改革に取り組むうえで、人材を確保することが必要な中小企業が、新しく労働者を雇用し、雇用の管理改善に取り組むため
参考:厚生労働省「人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)」

助成の対象者

どの助成金制度を利用するかを決める際に、まずは自社が対象となっているか、どの在留資格をもった外国人労働者が対象になっているかどうかをチェックしておくことが重要です。

助成金名助成の対象者
雇用調整助成金
(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)
・支給対象事業主:雇用保険に加入している事業所
・支給対象労働者:雇用保険の被保険者
※休業、教育訓練、出向などをはじめる前日までに、同じ事業所での勤続年数が6カ月未満の労働者は対象外です。
参考:厚生労働省「雇用調整助成金パンフレット
トライアル雇用助成金
(一般トライアルコース)
・ 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
・紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている人
・妊娠、出産、育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている人
・紹介日時点で、ニートやフリーターなどで、45歳未満の人
・就職の援助を行うにあたり、特別な配慮が必要な人(例:生活保護受給者、生活困窮者、ホームレスなど)
参考:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」
キャリアアップ助成金
(正社員化コース)
・入社してから6か月以上の有期雇用労働者
・入社してから6か月以上の無期雇用労働者
・6カ月以上同じ事業所にいる有期派遣労働者または無期派遣労働者
・有期実習型訓練(人材開発支援助成金(特別育成訓練コース))を受講し、修了した有期雇用労働者など
(そのほか、より詳細な情報はキャリアアップ助成金パンフレットのp14~15をご覧ください)
*外国人技能実習生は、帰国を前提とした者であることから、支給対象外
参考:厚生労働省「キャリアアップ助成金パンフレット」
人材確保等支援助成金
(働き方改革支援コース)
・特定技能1号・2号の在留資格を持つ者
※雇用の安定を目的とする助成金のため、技能実習生は対象外です
参考:厚生労働省「人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)」

キャリアアップ助成金の注意点としては、期限付きの雇用体系だと在留資格の在留期限に関わるため、不安に感じる外国人が多いことです。そのため、雇用契約を結ぶときは必ず外国人本人に説明をする必要があります。キャリアプランを明確に伝え、本人が同意をした上で雇用契約を結びましょう。

助成金の支給額

助成金の支給額は、各々の制度によって異なります。しっかりと支給金額を把握したうえで、助成金申請を行いましょう。

助成金名助成金の支給額

雇用調整助成金
(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)
いずれも支給限度日数は、1年間で100日、3年間で150日
①休業を実施した場合の休業手当や教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成率 
大企業は1/2、中小企業は2/3
上限:労働者1人あたり8,330円が上限です。(2020年3月1日現在)
 
②教育訓練を実施したときの加算額 
労働者1人1日当たり1,200円
参考:厚生労働省「雇用調整助成金パンフレット」
トライアル雇用助成金
(一般トライアルコース)
1人あたり最大月額4万円、最長期間は3ヶ月
※対象者が母子家庭の母など、もしくは父子家庭の父の場合、1人につき最大月額5万円となります。
参考:厚生労働省「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」
キャリアアップ助成金
(正社員化コース)
有期雇用 → 正規雇用:1人あたり57万円(42万7,500円)
有期雇用 → 無期雇用:1人あたり28万5,000円(21万3,750円)
無期雇用 → 正規雇用:1人あたり28万5,000円(21万3,750円)
※上限:1事業所あたり最大20人/年
※カッコ内は、大企業の場合の助成額
参考:厚生労働省「キャリアアップ助成金パンフレット」
人材確保等支援助成金
(働き方改革支援コース)
【計画達成助成】
新たに労働者を雇用し、一定の雇用管理改善を達成した場合に支給
新たに雇い入れた労働者1人あたり60万円
(短時間労働者の場合40万円)
*上限:10名

【目標達成助成】
雇用管理改善計画の開始日から3年経過する日以降に申請し、生産性要件を満たす(伸び率が6%以上の場合のみ)とともに、離職率の目標を達成した場合に支給
労働者1人あたり15万円
(短時間労働者の場合10万円)
参考:厚生労働省「人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)」

外国人と働くうえで助成金をどのように活用するか

外国人採用や外国人を雇用をするうえで、企業にとって助成金はありがたい存在です。ですが、「お金の負担を少なくして外国人を雇用しよう!」という考えでは、助成金を受給できたとしても、次にまた同じように助成金を受けることは難しくなってしまいます。

外国人雇用で助成金を使う場合、例えば、外国人社員向けならば日本語研修や、業務に関するスキル研修などに助成金を使う必要があります。他にも、外国人社員だけでなく、日本人社員向けの外国人材マネジメント研修や異文化研修などの費用として活用することも可能です。

「安価で外国人採用や雇用を成功させよう!」と思うのではなく、もし助成金が支給された場合の使い道をしっかりと考えて申請することが重要です。外国人が活躍し、事業へのリターンをもらたす存在になれるようにキャリアアップを考えましょう。

まとめ

外国人を採用、雇用しようと思った際に、さまざまな助成金を活用することができます。ですが、それらの助成金は外国人採用や雇用の負担を軽くするためだけのものではなく、雇用後の外国人の活躍やスキルアップを支援するためのものがほとんどです。ですので、助成金を申請する際には、「なぜ外国人採用をしたいのか」「外国人社員により活躍してもらうにはどうすればよいか」などの理由をしっかりと考えたうえで、制度を利用するとより効果的に助成金を活用できるでしょう。