「特定技能」の在留資格で働く外国人、前年同期の約7倍に

在留資格「特定技能」で働く外国人の数が、2021年2月末時点で2万人を超え前年同期の約7倍となったことを、日本経済新聞が報じた。

在留資格「特定技能」は、人手不足が深刻な介護、建設、宿泊などの14分野で即戦力の外国人を受け入れることを目的に、2019年4月に導入された。日本政府は当初、5年間で最大34万5150人の特定技能外国人を受け入れることを想定していた。しかし、外国人にとって特定技能の資格を取得するのは簡単ではなく、技能実習を修了、もしくは国内外の試験への合格が必要だ。また、日本企業も、特定技能よりも原則転職することができない技能実習生の採用を優先してきた経緯もあり、特定技能の人数は伸び悩んでいた。

ところがこの1年で特定技能の人数は急増している。出入国在留管理庁によると、2021年2月末時点で特定技能の人数は前年同期約7倍の2万386人となっており、大幅に増加している。

要因は、新型コロナウイルスの影響で帰国できない技能実習生が特定技能を新たに取得したからだ。2020年12月時点での特定技能の取得者のうち、85%が技能実習から移行した人たちだった。また、外国人労働者が来日できないことで企業が人手不足になり、特定技能での外国人の採用を増やしたことも要因となっている。

外国人材の紹介事業を行う株式会社リフトが行ったアンケートによると、約200人の回答者のうち8割の技能実習生が、技能実習修了後も日本に残ることを希望している。そのため、今後も技能実習生が特定技能を取得する流れは続くと予想されている。最長5年間日本で働ける技能実習に対し、長く日本で働くことができるのが特定技能の特徴だ。長い期間日本で働ける外国人が増えていくことで、受け入れ企業のニーズはさらに高まっていくだろう。

【参照リリース】「特定技能」外国人7倍 技能実習生が帰国できずに移行

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