【人事向け】外国人が日本で働くときに必要な手続きとは？届出書類まとめ

海外在住の外国人は来日後、生活・働くための様々な手続きや書類提出が必要となります。しかし実際、外国人がどのような手続きを行うか把握していない人事担当者の方も多いのではないでしょうか。また採用企業も外国人を採用後に、必要な届出書類もあるので、外国人・企業がそれぞれ用意する届出書類についてまとめました。

採用企業が提出する届出書類・手続き
- 日本人同様の手続き
- 外国人特有の手続き
外国人が提出する届出書類・手続き
まとめ

採用企業が提出する届出書類・手続き

健康保険資格取得手続き
雇用保険（労災保険）資格取得手続き
給与関係、住民税に関する申告等
社員名簿の作成（労働基準法の義務）
雇用保険被保険者資格取得届（外国人雇用状況の届出）<外国人独自の手続き>

日本人同様の手続き

健康保険資格取得手続き
給与、住民税に関する申告
雇用保険（労災保険）の資格取得手続き
社員名簿の作成等

「外国人は、源泉徴収が必要か」「外国人は、社会保険の加入が必要か」など日本人との相違点を心配される人事担当者の方が多くいらっしゃいます。

外国人を受け入れる場合、最低賃金法・労災保険法・健康保険法・厚生年金法などの労働者に関する法律が日本人と同様に適用されます。つまり、日本人正社員と同様の手続きをする必要があります。入社前の提出書類や手続きは、日本人の受け入れを同じプロセスで行います。もし相談事項がある場合は、社会保険労務士に確認しましょう。

外国人特有の手続き

雇用保険被保険者資格取得届（外国人雇用状況の届出）

外国人（アルバイトを含む）を雇用する企業は、雇用対策法第二十八条に基づき「外国人雇用状況の届出」が義務づけられています。そして外国人を雇用した場合だけでなく、離職した場合でも、必ずハローワークへ届出をする必要があります。

届出の提出期限は、雇用開始日、また離職日の翌月の10日迄です。この届出を怠ると30万円以下の罰金の適用対象となるので、期限に遅れないように必ず申請の準備をしましょう。

申請方法は、オンラインもしくはハローワークにて行います。詳しくは、【外国人雇用状況の届出】外国人雇用後の手続きについて解説を参考にしてください。

外国人が提出する届出書類・手続き

在留カードの入手
転入届、住民票作成
マイナンバーの申請
印鑑作成・携帯電話の契約
銀行口座開設

在留カードの入手

在留カードとは、法務大臣が中長期在留者に交付するICカードです。外国人の身分証明書として発行されます。

海外在住者の場合は、空港で在留カードを受け取ります。留学生など国内在住の場合は、在留資格変更の申請を行った上で、申請した出入国管理局に新しい在留カードを受け取ります。

就労の在留資格の申請（ビザ申請）については、【就労ビザの申請方法】国内採用と海外採用での申請フローについて解説の記事を参考にしてください。

転入届・住民票作成

住居地を定めた日から14日以内に、住んでいる市区町村に転入届を提出します。

マイナンバーの申請

市区町村に転入届を提出時、マイナンバーカードの申請書も提出します。

印鑑作成・携帯電話の契約

銀行口座の開設や賃貸契約にあたり、携帯電話の契約・印鑑の作成が必要となります。携帯電話は外国人向けの携帯電話サービスやオンラインで外国人のカタカナ名の印鑑を作成できるサービスがあるので、外国人本人に案内できると良いでしょう。

詳細は、【図で分かるチェックリスト】外国人の入社手続きに必要な準備は？必要書類や社会保険を解説！　の記事から確認できます。

銀行口座開設

外国人の銀行口座開設は、銀行によっては手続きが困難な銀行があります。そのため、給与振り込みが指定口座でない場合は、外国人の口座開設がしやすいといわれている「ゆうちょ銀行」や「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」などのメガバンクで開設することをおすすめします。

まとめ

今回は、外国人が日本で働くときに必要な手続き・届出書類について説明しました。在留外国人の増加により、役所や各サービス窓口で多言語対応が進んでいますが、エリアによってはまだまだ必要とされるスピードに追いついていません。そのため、日本語が流暢でない外国人にとって各手続きは簡単なことではありません。まず外国人が安心して生活ができるように、採用企業がオンボーディングの一環としてフォローできるような体制を作ることから始めましょう。

【参考】「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主の義務であり、外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要です！（厚生労働省）
【参考】生活・就労ガイドブック（出入国在留管理庁）
【参考】口座を開設される外国人のお客さまへ（ゆうちょ銀行）