飲食・フード産業特化の求人サイト「クックビズ」を運営するクックビズ株式会社は3月18日、飲食企業を対象に実施した外国籍スタッフ採用についての調査結果を公表した。
在留資格「特定技能」について、「利用するかわからないが、名前だけは知っている」と「知らない」を合わせると半数以上にのぼるものの、「特定技能」を用いた外国籍スタッフ雇用への関心があると回答したのは半数以上であり、採用への関心は高いことがわかった。また、外国籍スタッフを雇用していない飲食企業の理由の1位は「採用するきっかけがなかったから」だった。
外国籍スタッフの雇用に関する情報収集手段については「テレビや新聞などの一般メディアから」が29.7%、「まったく集めていない」が23.4%と上位を占めた。2019年4月の改正出入国管理法施行を前に、雇用側の飲食企業が専門的な情報収集を行うまでには至っていないことが明らかとなった。
過去1年以内に外国籍スタッフを雇用しているかについて、全体でみると「社員、アルバイト・パート、どちらも雇用している」が33.5%、「アルバイト・ パートのみ雇用してる」が27.9%、「社員のみ雇用している」が3.1%、「外国籍スタッフは雇用していない」が35.4%だった。全体ではアルバイト・パートを含め60%以上が雇用しているものの、5店舗以下の小規模事業者では半数が雇用しておらず、規模の大きさにより雇用状況に差があることがわかった。
外国籍スタッフを雇用していない理由については、もっとも多い回答が「採用するきっかけがなかったから」だった。そのほか「言語などの問題でコミュニケーションが取れなさそうだから」「外国籍スタッフの管理や教育をする人材がいないから」といった理由が挙がった。
そして、外国籍スタッフを雇用している、もしくは1年以内に雇用していた飲食企業に「外国籍スタッフを雇用した際に感じた課題」を聞くと、「言語などの問題でコミュニケーションが取りづらかった」が50.0%と圧倒的に多く、「管理や教育が上手くいかなかった」「ビザなど雇用する際の手続きが思った以上に大変だった」が同票で24.1%、「日本人よりも簡単に辞めてしまう」が15.7%、「マニュアルの外国語対応など、受入れ準備が思った以上に大変だった」が13%と続き、コミュニケーションの難しさが大半を占めた。
受け入れるための環境整備については「特に何もしていない」が47.6%と半数近く、課題を感じていながらも実際に何をすれば良いのかわからないケースが多いようだ。
最後に、今後、外国籍スタッフに期待することについては「不足する労働力の確保」が73.4%ともっとも多い反面、「インバウンドのお客様への接客対応」が50.0%、「インバウンドのお客様向けの商品開発・集客検討」が23.4%と、インバウンド対応への期待が大きいことが伺えた。
同調査は日本全国の飲食店158店舗を対象に、2019年2月25日から3月2日までインターネットにて実施された。