外国人が日本で働いてよかったこと1位は「雇用の安定」、一方で人事評価基準の曖昧さに不満も、オリジネーター調べ

理系外国人留学生の人材紹介を強みとする株式会社オリジネーターは、日本で働く外国人を対象に、就労環境と転職に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。以下は本調査結果の一部だ。

1. 日本で働いてみて、良かったところは?

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日本での労働で良かった点として、「雇用が安定している」が、2位と20ポイントもの差をつけ1位となった。日本の特徴とも言える長期雇用は、外国人にとって魅力的に感じるようだ。また、「やりたい仕事ができて、やりがいを感じる」が28.7%で2位となった。やりたいことが明確にある外国人社員にとって、希望の職に就けることは重要なポイントにあると言えそうだ。

2. 日本で働いてみて、不満に思ったこと・がっかりしたことは?

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日本での労働で不満に感じたことに関しては、「給与水準が高くない」が1位となった。1の質問で、「給与水準が高い」が24.0%で3位となっているが、海外経験者に対してより高い給料を払う国の出身者からすると、日本の給与水準は思ったほど高くないのかもしれない。
他にも、「求められている役割や仕事内容が明確でない」、「人事評価の基準が明確ではなく、外国人だと昇格・昇進できない」などが上位に入った。自身の仕事内容や実績に対する明確な評価を望む外国人社員には、会社の評価制度を詳細に説明することが重要となりそうだ。
また、「日本語ネイティブでないことへの配慮が不足」が29.5%で2位となったことから、企業の受け入れ準備、日本人社員側の意識改革や行動変容などが必要となっていることが判明した。

3. 転職の際に、企業選びで重視する点は?

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転職の際に重要視している点として、「給与水準が高い」が47.2%で1位となった。外国人社員の場合、職場の環境・社風や仕事内容よりも給与のことを重視していることが窺える。

調査レポート概要

【調査名】
日本で働く外国人社員の就労環境と転職に関するアンケート

【対象者】
同社が運営する、外国人留学生就職情報サイト「リュウカツ」登録者のうち、日本で働いている(または働いたことがある)外国人社員

【調査方法】
インターネット調査(日本語と英語で調査) 

【調査時期】
2021年3月 

【有効回答数】
129名

本調査結果から、外国人社員の定着には企業の受け入れ体制、日本人社員の意識改革、評価制度の見直しが必要なことが判明した。年齢や勤続年数などに応じて賃金が上がっていく「年功賃金」のような人事制度は、外国人社員にとって受け入れることは難しい。外国人社員を採用する際には、どのようなキャリアパスを会社で用意できるか具体的に説明するとともに、自社の評価制度を伝え、ミスマッチが無いようにするのが重要だ。また、明確な人事評価制度への変革も今後必要となっていくだろう。

【参照リリース】【日本で働く外国人社員アンケート】日本の「雇用の安定」を評価(約50%)する一方で、「役割の曖昧さ」「人事評価の基準」には不満(各約30%)も!

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