外国人留学生専門の人材紹介事業を運営する株式会社ASIA Linkは、国内の大学・専門学校・日本語学校に通う外国人留学生に対して、日本での就職に関する意識調査を行った。以下は本調査結果の一部だ。
【質問1】留学生と企業の認識・希望でギャップを感じる点はありますか?
留学生が企業との認識・希望で一番ギャップを感じる点として、「仕事の内容(留学生がやりたい仕事と企業が求める仕事が違う」が挙がった。また、留学生を属性別に分析したところ、大学院・専門学校・日本語学校生に比べて、学部生にこの傾向が強いことが判明した。学部生は専門知識や強みを仕事で生かしたいという希望があるが、雇用企業からすると学部生は大学院生よりも専門性が高くなく、専門職への配属が難しいと考えられる。
また、3位には「給与・待遇(留学生が希望する給与・待遇よりも、実際の企業の給与・待遇が低い)」が挙がった。以下データのように、日本語力がN1に近づくほど、もっと高い給与を求めるようになることが判明した。
【質問2】どのような企業を希望していますか?
留学生が希望する企業として1位に挙げたのは、「外国人の強みを活かせる仕事ができる」企業だった。また、2位に「海外に拠点あり」、3位に「外国人採用実績あり」が挙がったことから、実際に外国人社員が活躍しているグローバル企業への人気が高いことが判明した。
【質問3】企業の選考(採用活動)について、企業への要望はありますか?
企業の採用活動への要望については、「留学生が応募可能かどうか求人票に書いてほしい」が1位となった。文系・理系問わず、応募の際に留学生を採用していない旨を伝えられた留学生が一定数いることがわかった。
【調査項目】
1.留学生・教職員が感じる、企業と留学生の認識・希望のギャップ
2.留学生が希望する企業と、教職員が留学生に勧めたい企業
3.企業の採用選考に対する、留学生・教職員からの要望
【調査対象】
外国人留学生・元外国人留学生(ASIA Link登録者) ※以下「留学生」と表記
有効回答数301名
・国籍:中国114名、ベトナム44名、台湾21名、韓国14名、インドネシア14名、ミャンマー11名など
・性別:男性161名、女性137名、どちらでもない・選びたくない3名
・学位:大学院博士14名、大学院修士91名、大学学部129名、専門学校56名、日本語学校11名
・専攻:文系190名、理系111名
・日本語:日本語能力試験N1・165名、N2・113名、N3・17名、N4,N5・6名
・就活状況:現在就職活動中81名、就職活動終了者(すでに働いている方を含む)220名
【調査結果全文】
ホームページから
政府はここ1年半、新規の留学生受け入れをほぼ停止しており、この先日本企業への就職を希望する留学生は非常に貴重な存在となることが予測されている。留学生とギャップなくマッチングするために、求人情報を正確に伝えることが必要だ。また採用活動において密にコミュニケーションを取ることも重要だ。
【参照リリース】「外国人留学生と教職員の就職意識調査」企業と留学生が求める「仕事内容」にギャップあり。留学生がやりたい仕事、そして求人票に一番書いて欲しいこととは?