自民党政務調査会外国人労働者など特別委員会が2020年7月1日に開催。高度人材や技能実習生などの外国人材の受入れ推進について議論が行われ、令和2年度改定案が発表された。これを受け、同月3日、委員長の片山さつき氏は安倍首相に提言を行った。
発表された外国人受入れ対応策のうち、改訂が議論された点は以下である。
新型コロナウイルス感染症による企業の業績悪化により、外国人材が解雇されるなどの影響を受け、外国人材の受け入れ環境を充実させる。また、外国人材の受入れを推進するため、特定技能の外国人と企業とのマッチングや技能実習生などの雇用維持を支援する。
行政情報や生活情報の多言語化とともに外国人が使いやすい「やさしい日本語化」を進める。「外国人受入環境整備交付金」の対象範囲の見直しや「外国人在留センター」での通訳支援、外国人採用のための企業向けセミナーを実施し、外国人が暮らしやすい地域社会を構築する。
「外国人のための賃貸住宅入居の手引き」を作成し、来日時の住居探しをスムーズにする環境を整える。また、外国人が生活の中でコミュニケーションの活発化を図るため、地方公共団体に対し日本語教育推進の基本方針を作成するよう促す。
「外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブック」を活用し、高度外国人材が就職後に活躍できるよう、中堅・中小企業に向けた教材や、支援機関に向けた指導カリキュラムを作成する。さらに、外国人の社会保険への加入を進めるため、医療機関ではマイナンバーカードを使って本人確認や保険資格を確認する。
在留資格手続きのオンライン申請対象を拡大し、「特定技能」の在留資格の申請書類を簡素化する。また、外国人の在留資格の管理基盤を強化するため、日本語能力試験などの証明書の偽造対策を強化する。
外国人材は、言語の壁や文化の違いなど、日本での生活に様々な不安を感じているようだ。今後、外国人採用を検討する企業では高度人材が働きやすい環境整備に取り組む姿勢が必要となるだろう。
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自民党が外国人材受入れ推進を安倍首相に提言~高度人材や技能実習生など(前)
自民党が外国人材受入れ推進を安倍首相に提言~高度人材や技能実習生など(中)