【外国人をソーシャルリクルーティングするには?】各SNSの活用法を徹底解説!

SNSを活用して採用活動を行うソーシャルリクルーティングは、日本だけでなく世界各国で行われています。特に20代の若手人材にとっては、SNSの影響力は大きく、外国人の採用でも有効な採用手法の1つです。今回は、各SNSの特徴を紹介したうえで、外国人求職者向けのソーシャルリクルーティングのポイントをご紹介します。

ソーシャルリクルーティングとは

ソーシャルリクルーティングとは、FaceBookやTwitter、LinkedInなどのSNSを利用した採用手法です。

2003年にLinkedInのリリースからアメリカを中心にはじまった採用手法で、日本では2010年ごろからFacebookやTwitterでの採用が広がり、今では採用活動でのSNS活用が当たり前に行われています。

パーソルキャリア株式会社と株式会社パーソル総合研究所の留学生の就職活動と入社後の実態に関する定量調査によると、就職活動関連の情報収集に活用した情報の2位が「企業のSNS公式アカウント」の通り、外国人求職者にとって企業のSNSアカウントは、重要な情報源です。SNSアカウントと上手に利用することで、外国人の採用のソーシャルリクルーティングの成功に近づくことができます。

外国人採用でのソーシャルリクルーティングのメリット・デメリット

外国人を採用するときに、日本人と同じくソーシャルリクルーティングは効果的な採用手法です。メリットとデメリットをおさえたうえで、活用をしましょう。

メリット

1.求職者をより知ることができる

外国人は、日本人よりオープンにSNSを利用していることも多いため、求職者自身の興味や生活を発信していることから、等身大の人柄をプロフィール上から知ることができます。

また求職者にとっても採用企業の情報発信から、企業の事業内容やカルチャーの理解にも繋がり易い傾向があります。

2.海外在住の求職者にアプローチができる

ソーシャルリクルーティングで活用されるSNSは、世界中で使われていることから日本在住の求職者だけでなく海外在住の求職者にも気軽にアプローチができます。特に海外在住の外国人求職者は、インターネット検索では日本の就職の情報や求人が少ないため、SNSを活用して情報収集をしていることが多いです。

具体的な例をあげると、ベトナムでは、多くの国民がFacebookを利用しています。Facebookを活用して就職活動をする場合も多く、彼らのコミュニティに連結しているFacebookのグループなどに求人を投稿することで、日本だけではなく海外に住んでいるベトナム人材へのアプローチもできるようになります。そのため潜在層の外国人求職者へのアプローチとしても有効です。

3.低コストでアプローチができる

SNSによっては一部有料プランもありますが、企業の公式アカウントから事業内容を解説した文章を投稿したり、求人を募集したりすることには、費用はかかりません。効率的に候補者を集客することができれば、採用コストの削減に繋がります。

デメリット

1.運用工数がかかる

ソーシャルリクルーティングを行うには、こまめに情報発信をする必要があります。外国人向けの発信だと多言語で発信するケースもあります。

そのため、SNSを運用する工数や運用担当者を確保しなければなりません。また短期間でフォロワーは増えないため、いきなり採用に結びつく可能性は低いです。長期的な採用戦略で取り組むことが重要です。

外国人採用で有効なSNSと活用法

Facebook

日本では、若手人材の利用率が低いFacebookですが、ユーザー数は、2019年現在22億人と世界最大のSNSです。国別のユーザー数は、インド、アメリカ、ブラジル、インドネシアと続き、アジアや欧州の利用が目立ちます。アジアの中でも、ベトナムやタイ、インドネシア、フィリピンは在住外国人も多く、Facebookでのソーシャルリクルーティングの利用率が高い印象です。

Facebookでは、主に2つの機能で求人の募集ができます。

1.企業ページから投稿

ビジネスアカウントから企業ページを作成し、そのページから求職者に向けて、事業の紹介や求人募集を投稿できます。求人情報だけでなく求職者向けのお知らせや社内で行ったイベントなどの情報を発信することで、求職者に社内の雰囲気などを伝えることができるでしょう。

2.求人機能を利用した投稿

企業ページを作ると求人機能で、求人を募集することができるようになります。求人広告のように業務内容や労働条件などを記載できます。Facebook上で検索ができるため、求職者が検索をして求人を見つけることができます。

3.Facebookグループの投稿

Facebookのグループで「日本 仕事」や「Japan Job」などのキーワードを検索すると日本で働きたい外国人求職者ののFacebookグループを見つけられます。グループに参加すると求人などを投稿できるようになり、、そのページ経由で外国人求職者を募集することができます。グループ内は、採用企業と求職者の両方が参加しているため、就職志望度が高い参加者にアプローチすることができます。

Twitter

Twitterは140文字以内の文章をメインに、写真や動画を投稿できるSNSです。機能もシンプルで、1つのツイートで大きな注目を集めることがきる拡散力が特徴です。国別ユーザー数は、アメリカ、日本、イギリス、サウジアラビアと続きFacebookと比べると国によって利用ユーザー数は異なります。新卒採用で情報収集として利用している学生が多いため、日本在住の留学生や若手人材には有効なアプローチができます。多言語で発信することで、検索キーワードからの流入が見込めるため、日本語だけでなく多言語での発信も行うと良いでしょう。

また140文字以内と発信できる情報が少ないため、採用HPへのリンクや画像を差し込むなど、外国人求職者の目に留まるような工夫が必要です。

近年では、企業アカウントではなく企業の担当者の実名アカウントからの採用活動も活発なため、社内の運用担当者を事前に確保することをおすすめします。

LinkedIn

日本ではまだ利用者が少ないLinkedInは、ビジネス版SNSとして2020年現在、ユーザーは6億人以上と海外のビジネスシーンでは当たり前に利用されています。国別ユーザー数は、アメリカ、インド、中国、ブラジル、イギリスとFacebookと同様にアジアと欧米の利用者がメインです。

ユーザーの属性は、営業やマーケター、エンジニア、経営者と利用者の層が広いことも特徴です。FacebookやTwitterと比べると、ビジネス色が強いため、スカウトや転職活動を目的として利用しているユーザーが多いです。

Facebookと同様に企業ページを作成し、ページ上に投稿する以外にも、登録されている人材に直接スカウトメッセージを送ることもできます。(ダイレクトリクルーティング)

スカウト機能は、一部有料になりますが、日本では利用している企業が少ないため、優秀な人材のアプローチには有効な手法でしょう。

スカウトメッセージは、日本語だけでなく多言語で送信するとスカウト返信率が上がるため、多言語で発信できる担当者を確保することをおすすめします。

WeChat・Weibo

中国人を長期的に採用する場合は、WeChatとWeiboの活用も検討すると良いでしょう。WeChatは、中国版のLINE、Weiboは中国版のTwitterです。WeChatは、求人を投稿したら、友人(フォロワー)に広げられるので、リファラルに近い形で募集をすることが可能です。WeiboはTwitterのように、投稿したらだれでも見れるので、多くのユーザーに目が留まる可能性があります。

利用の注意点は、WeChat・Weiboともに偽アカウントが多く、無料アカウントで企業の投稿をすると信ぴょう性が低いので、法人の有料アカウントで発信することをおすすめします。また中国語で発信をしないと、検索で流入が見込めないため、中国語が堪能な社員が運用すると良いでしょう。

まとめ

ソーシャルリクルーティングは、現在すでに利用している企業が多いものの、外国人の採用にまで活用を広げている企業は少ないです。特にLinkedInは、海外では当たり前に使われている反面、日本ではまだまだ浸透していないSNSの1つです。そのため、普通の採用活動では見つけられない、優秀な外国人求職者にアプローチできることが最大のメリットです。ソーシャルリクルーティングは、アカウント開設に費用が掛からない場合はほとんどなので、採用戦略を立てたうえで利用してみてはいかがでしょうか。


参考: 留学生の就職活動と入社後の実態に関する定量調査( パーソルキャリア株式会社と株式会社パーソル総合研究所 )