【高度外国人材】高度人材ポイント制と3つの活動内容について解説

さまざまな外国人が日本国内で多様な仕事をされていますが、政府が特に積極的に受け入れているのが「高度外国人材(高度人材)*1」と呼ばれる高度な専門知識をもった優秀な外国人です。

ですが、実際に「高度」とはどの程度のことをいうのでしょうか?なにをもって「高度」と判断するのかわかりにくいですよね。今回は、高度外国人材に関わるポイント制度と3つの活動内容についてわかりやすくご説明します。

高度外国人材(高度人材)とは

高度外国人材(高度人材)は、「日本の経済活動に貢献してくれる、高度な専門知識や技術をもった外国人」のことを言います。具体的な人材例としては、優秀なエンジニアや優良大企業の経営者、優れた研究成果をもつ博士号取得者などが挙げられます。

法的にはどのように定義されている?

高度人材とは、国内の資本・労働とは補完関係にあり、代替することが出来ない良質な人材」であり、「我が国の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」と定義付けることができる

平成21年5月29日高度人材受入推進会議報告書

在留資格「高度専門職」とは

外国人が日本に中長期滞在するためには、「在留資格」を取得する必要があります。
入国管理法で定められている在留資格は、大きく分けると29種類(2020年3月現在)あり、その中でも日本で働くことができる在留資格は19種類になります。

在留資格の概要

高度外国人材はもっとも専門性が求められる在留資格である「高度専門職」という資格が与えられます。「高度専門職」の在留資格を獲得するためには、「高度人材ポイント制」によって一定以上のポイントを獲得する必要があります。

高度人材ポイント制とは

高度人材ポイント制とは、「高度人材に対するポイント制による出入国在留管理上の優遇措置」という制度です。「学歴」「職歴」「年収」「研究実績」「その他ボーナス」などの項目を点数化して、客観的に外国人人材の専門性を測る制度です。

このポイント制度で70ポイント以上獲得できると、「出入国在留管理上の優遇措置」を受けられます。例えば「法律上最長の在留期間(5年)の付与」など日本政府から特別な待遇を受けられるということです。

実際のポイント計算はどのようなものなのか?

学歴の場合
博士号(専門職に係る学位を除く)取得者には30点、修士号(専門職に係る博士を含む)取得者には20点、大学を卒業した、または同等以上の教育を受けた者は10点が付与されます。
追加ポイントとして、複数の分野で博士、修士、専門職学位を有する者にはさらに5点が付与されます。

なお、日本で経営・管理に従事する場合(高度専門職(ハ))は、博士号・修士号のいずれも20点の加点となります。

法務省:入国管理局「ポイント計算表」

高度人材ポイント制では、個々の専門性によって3つの活動内容を設定しています。それぞれ「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」に分けられています。

では、高度人材ポイント制における3つの活動内容とはどのようなものがあるのでしょうか。

高度人材ポイント制における3つの活動内容

高度人材は以下の3つの分類のいずれかに当てはまる活動を行う外国人が対象となります。

① 高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」

入国管理局によると「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究,研究の指導又は教育をする活動」と定義されています。

大学教授など研究と教育活動を行っている人や、研究施設で他の研究員を指導している研究者などが当てはまります。

高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」

② 高度専門・技術活動「高度専門職1号(ロ)」

入国管理局によると「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動」と定義されています。

自然科学とは、物理学や化学、生物学などの学問が対象となります。また、人文科学は、政治や経済、社会、歴史など、人類の文化全般に関する学問を対象としています。上記の2つの分野に関する知識や技術を必要とする仕事をしている外国人が該当します。

具体的には、システムエンジニアや一般企業でも専門性が高い業務であれば許可されます。高度人材として認定される数は3つのなかで最も多くなっています。

高度専門・技術活動「高度専門職1号(ロ)」

③ 高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」

入国管理局によると「本邦の公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する活動」と定義されています。

会社の社長や会社役員が当てはまります。

高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」

(参照:法務省:入国管理局「高度人材ポイント制とは?」

まとめ

高度外国人材の認定には、客観的なポイント制度が採用されています。優秀な人材を確保したい日本企業にとっては高度外国人材はぜひ獲得したい人材のひとつですね。優秀な人材に選ばれるよう、企業の受け入れ体制を整えていくことも外国人採用の一歩になるのではないでしょうか。

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【高度専門職】高度専門職1号・2号と優遇措置について解説


【参考】
・総務省|高度外国人材の受入れに関する政策評価書
・法務省・厚生労働省・経済産業省|高度外国人材の受入れ・就労状況
・出入国在留管理庁(旧:入国管理局)|高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇制度
・法務省|令和元年6月末現在における在留外国人数について(速報値)
・高度人材受入推進会議|外国高度人材受入政策の本格的展開を (報告書)


*1:「高度人材」と「高度外国人材」の表記について
正規の定義づけはないものの、「高度外国人材」は近年、政府から正式に発表される資料で使われている用語であるため、本記事では「高度外国人材」を採用している。一般的には「高度人材」と呼ばれる場合が多い。
詳しくは「高度外国人材の受入れに関する政策評価書(p.1-p.2, p.22)」をご覧ください。