在留外国人の採用に特化した人材ベンチャーの株式会社エムティックは6月17日、「外国人の仕事探し」についての調査レポートを公表した。
調査結果によると、仕事探しでは約6割がFacebookを利用していること、また、ウェブサイトを閲覧するときに9割以上の人が、Google翻訳を使用しており、日本語サイトを閲覧するときに日本語の壁を感じていること、外国籍の人が前の仕事を辞めた理由の上位は「給与」「勤務地までの距離」「人間関係」であることがわかった。
まず、「どのメディアで仕事探しをすることが多いですか」という質問への回答は、Facebookが62.8%、そしてGoogle検索が22.3%、Linkedinが8.3%、YoutubeとLINEがともに3.3%だった。日本人は、求人サイトやindeed、転職エージェントなどを利用することが多いのに対し、外国籍人材の場合、Facebookが仕事探しのツールとして重要であることがわかる。
続いて、「ウェブサイトを翻訳するためにGoogle翻訳をどのくらい利用しますか」という質問への回答は、「常に使用」「ときどき使用」を合わせて、90.1%にのぼった。Google翻訳を手掛かりに情報を読み取っていることがわかる一方、日本語での情報収集の難しさを感じていることも読み取れる。Google翻訳を介したとしても正確な情報収集ができない可能性があることから、ミスマッチ防止のために、企業は母国語での正確な求人情報を提供することが求められそうだ。
さらに、「人材会社(求人サイト)の機能で最も重視するものは何ですか」という質問への回答は、「多くの求人が載っていること」が55.4%、「ウェブサイトの使いやすさ」が24%、「複数の言語でウェブサイトを閲覧できること」が19%と続いた。掲載求人数の増加はもとより、それらの情報を検索しやすいことやスムーズに使えること、他言語対応などは、求人サイトの利用促進を図るうえで優先して取り組むべき事項といえそうだ。
最後に、仕事を辞めた理由についての質問への回答は、「給与」「勤務地までの距離」「人間関係」と続いた。2位に「勤務地までの距離」が入ったことからは、日本での土地勘がないことから、勤務地までの距離感覚がつかめない、情報をうまく読み取れない、家の近くの求人情報が少なく、想像以上に遠い職場で就労している可能性があることが推測される。
同社は、在留外国人向け求人サイト「All Jobs Japan(オールジョブスジャパン)」を運営することでそうした課題の解消に取り組んでいる。同サイトでは、家から求人掲載中の勤務地までの通勤時間を自動検索し、アナウンスする仕組みを取り入れているほか、10か国語に対応している。
今回の調査は、同社が運営する在留外国人に特化した人材派遣・職業紹介サービス「Gaijinbank」の利用者に対し、インターネットによるアンケート形式で、2019年2月1日から5月21日まで行われ、有効回答数は794名分だった。
【サービスサイト】All Jobs Japan(オールジョブスジャパン)