ビジネス日本語能力試験「BJT」とは?JLPTとの違いを解説!

外国人を採用する際、日本語のレベルを確かめる上で、最も一般的なのが日本語能力試験(JLPT)の結果です。しかし近年、ビジネスにおける日本語能力を測るビジネス日本語能力試験(BJT)が注目されているのをご存じでしょうか。今回はビジネス日本語能力試験の概要とJLPTとの違いを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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ビジネス日本語能力試験BJTとは?

ビジネス日本語能力試験(BJT)とは、ビジネスで使われる特有の言葉遣いやコミュニケーション能力を測る試験のことです。日本漢字能力検定協会が主催する試験で、日本語を母語としないビジネス関係者・学生を試験の対象としています。

もともとは日本貿易振興機関(JETRO)が1996年に始めた検定で、その後2009年から日本漢字能力検定協会が事業を継承しました。現在は日本国内34都市の他、中国やベトナムなど世界18か国で受検することが可能です。

問題は全て、日本での日常的なビジネス場面を想定して作成されています。ビジネス場面では、様々なコミュニケーション・情報から自分で行動を起こしたり実行しなければなりません。BJTでは、単なる日本語能力だけでなく、ビジネスコミュニケーションにおける多くの情報を理解し処理できるかどうか客観的に評価されるのです。

JLPTとの違い

ビジネスにおける日本語能力を測るBJTですが、日本語能力を測る試験として一般的なJLPTとの違いは何でしょうか?ここではその違いを比較します。

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JLPTは日常生活、BJTはビジネスにおける日本語力を測る

外国人の日本語能力を測る際によく使われるJLPTは、主に日常生活における日本語能力を測る試験です。一方でBJTはビジネスの現場で使われる日本語力を測定する試験です。ビジネスにおいてよく使われる単語や、仕事の場面における適切な日本語の運用能力が問われます。ビジネスにおける日本語能力を測りたいのであれば、BJTはJLPTよりも適していると言えます。

また、BJT受験者を対象にしたアンケート結果によると、JLPTでN2を取得した受験者よりN1を取得した受験者の方が平均スコアが高いことが明らかになっており、JLPTとBJTには一定の相関関係が見られます。しかし、N1取得者でもBJTスコアは広く分散しており、ビジネスにおける日本語の運用能力には差があることがわかっています。つまりJLPTでN1を取得し基礎力を身に着けていても、ビジネスにおける日本語の運用能力に関しては差があるのです。

JLPTについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【JLPT(日本語能力試験)だけで会話レベルは測れない!】外国人採用で必要な日本語力とは

BJT受験のメリット

BJTの受験は、外国人にとって多くのメリットがあります。例えば、BJTのスコアは法務省の入国管理局で日本語能力の証明書類として提出することができたり、就職活動で自己PRとして活用することができます。

また、外国人社員にBJTを受検させることで、企業にもメリットがあります。その一つに、BJTで400点以上を取得すれば10ポイント(JLPTのN2と同等)、480点以上で15ポイント(JLPTでN1と同等)が高度人材ポイント制で付与され、在留資格更新時などで優遇措置を受けることが可能となります。

高度人材ポイント制とは、「学歴」「職歴」「年収」「研究実績」「その他ボーナス」の項目を点数化して、客観的に外国人材の専門性を測る制度です。70ポイント以上を獲得すれば「高度専門職1号」の在留資格を取得することができ、様々な優遇措置を受けることが可能となります。

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高度専門職1号で受けられる優遇措置の一つに、在留期間「5年」が付与される措置があります。法律上の最長の在留期間である「5年」が一律で付与されることで、在留資格の更新の手間が少なくなり、企業の負担が減るメリットがあります。
また、その他の優遇措置として複合的な職種での活動ができるようになるため、企業でより幅広く活躍してもらうことが可能です。

BJTは採用の判断基準に使えるのか

JLPTと比較するとBJTはビジネスにおける日本語能力や、日本語の運用能力を測れるため、採用の判断材料として使うことは可能です。しかし受験が義務付けられているわけではなく、2019年度の受験者数は4758人と、JLPTと比較するとまだまだ受験者数は少ないのが現状です。また、ビジネスにおける日本語運用能力と情報処理能力を測る試験のため、日本語のスピーキング能力を測ることはできません。そのため、BJTで高いスコアを取っていても日本語が流暢に話せるとは断言できません。

未受験でもビジネスレベルで、日本語を問題なく話せる外国人は多くいます。あくまで参考程度にして、実際の日本語能力は、面接などの場で本人と直接話すことで、確認するようにしましょう。

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まとめ

就職活動での需要や法務省の入国管理局から証明基準として認められたこともあり、BJT受験者数は2019年度には4500人を突破するなど年々増加しています。しかしJLPTと比較するとまだまだマイナーな試験であることに変わりはありません。受験していないからといって日本語能力が低いと判断せず、面接等で実際に話して日本語レベルを確認することが必要です。

また、外国人を採用する際、実際にはBJTJ2レベルの日本語能力で十分な職種であるにも関わらず、BJTJ1+レベルの外国人しか募集しないといったことがよく見られます。高い日本語能力ばかりを求めるのではなく、必要最低限の日本語レベルを持った外国人を募集し、一緒に働きながら日本語のレベルアップを求めていきましょう。その職種でどれほどの日本語能力が必要なのか、自社で一度検討することをおすすめします。


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