ハノイ大学、一般社団法人アジア人財教育開発機構、店舗流通ネット株式会社、株式会社NTTドコモは10月4日、日本の外食業分野で在留資格「特定技能」をもつ外国人が即戦力として就業することを目的として、ベトナムでの日本語教育をはじめ、日本での就業機会の提供までを一貫して支援する共同プロジェクトを発足した。まずはベトナムの教育機関であるハノイ大学の学生を対象とする。
同プロジェクトでは、ベトナムの教育機関で日本語授業の教材を提供するほか、ドコモが開発した外国人向け日本語会話学習サービス「Japanese Language Training AI(以下、JLT-AI)」を試験提供する。
JLT-AIには外食業の特定技能試験対策と外食業分野で即戦力として活躍できる人材になるためのコンテンツを収録し、日本国内の飲食店での接客時に必要となる「仕事で必要な日本語会話力」の習熟をサポートする。また、求められるレベルがあいまいになりがちな「仕事で必要な日本語会話力」をPerfect、Great、Good、Badの4段階で「見える化」する検定コンテンツも収録している。両コンテンツは日本国内の外食業で人材紹介事業を手掛ける店舗流通ネットが開発した。
同プロジェクトの推進により、外国人材と採用する企業の日本語会話力に対する認識の差分をなくし、外国人材の定着につなげるほか、現地で日本語を習熟した外国人材が日本で企業に就業するまでをサポートする。就職先の紹介には、日本国内の飲食企業からスカウトを受けることができるベトナム人向け就業サイト「BID CAREER」を活用する。
今後、ベトナムでの教育開発経験のあるアジア人財教育開発機構が中心となり、ハノイ大学にて日本語授業の教材を提供し、プロジェクト参加者の募集を開始する。また、4者は、ハノイ大学の取り組みの結果をもとに他教育機関にも同プロジェクトの取り組みを展開する。また、日本語会話力のトレーニング結果を日本での就業機会の獲得に結びつけることを目的として、JLT-AIを用いた日本語会話力の検定試験の企画と運用も進める方針だ。