ディスコ、2121年度の外国人留学生の就職活動状況に関する調査結果を公開

株式会社ディスコは、2021年3月卒業予定の外国人留学生(現在、大学4年生・大学院修士課程2年生)を対象に、職業観や就職活動に関する調査を行い、その結果を2020年8月26日に発表した。調査結果の概要は以下の通り。

就職活動当初の志望業界

まず、志望業界を40業界の中から5つま選択してもらった。すると、文系では1位が「商社(総合)」で39.9%となり、グローバルに活躍できる業界として例年通り人気を集めていることがわかった。次いで、2位は「情報・インターネットサ ービス」(29.5%)、3位は僅差で「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」(28.7%)が続く結果となった。一方、理系では1位が「情報・インターネットサービス」で、37.0%という結果だ。2位には「情報処理・ソフトウエア・ゲ ームソフト」(33.3%)と続き、文理問わず、IT業界の人気の高さがうかがえる。

なお、国内学生の回答と比較すると、特に文系で志望業界の違いが顕著に表れていることがわかる。国内学生で1位の「銀行」、3位の「マスコミ」は、外国人留学生では、ともに9位にとどまっる結果となった。  

新型コロナによる就職活動への影響

また、新型コロナウイルスの感染拡大によって、自身の就職活動にどのような影響があったかを尋ねた。その結果、「企業との出合いの機会が十分に取れない(減った)」が53.6%と最も多く、「採用数の減少等で、志望業界の変更を余儀なくされた」が48.4%と続いた。また、「志望企業の採用が中止になった」は、4人に1人以上となる26.8%の外国人留学生が回答。ホテル・旅行など、外国人留学生に人気の高い業界とコロナの影響を大きく受けた業界が重なったことで、志望業界や企業の変更を迫られた人も少なくないようだ。 

7月時点の内定率は前年同月対比10pt減

次に、7月時点の内定率を見ると、国内学生が77.7%であるのに対し、外国人留学生は31.5%と、約3割にとどまる結果となった。前年同時期(40.6%)と比較すると、10ポイント近い低下となる。

新型コロナの影響による就職活動以外の不安

最後に、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、就職活動以外の留学生活全般で困っていることや不安に思うことを尋ねた。その結果、最も多いのは「母国に帰れない」で43.7%と、4割以上に上った。感染リスクに加え、再入国できなくなることへの懸念などから、母国に帰省したくてもできない留学生が多いようだ。この他、「アルバイトができない」「学費や家賃が払えない」「奨学金や学生給付金がもらえるか」なども一定数の回答があり、経済的困窮を訴える声も少なくないことがわかった。

新型コロナウイルスの影響で2021年卒者の就職戦線に混乱が生じ、外国人留学生の就職活動にも大き影響を及ぼしている。企業には日本人学生のみならず、外国人留学生に対する採用においても適切な対応が求められるだろう。

【参考URL】外国人留学生の7月の内定率は31.5%