2019年1月31日に総務省が公表した住民基本台帳人口移動報告(2018年)によると、都道府県別で転入超過となっているのは、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、愛知県、福岡県、大阪府および滋賀県の8都府県となっており、東京圏(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)の人口一極集中がますます進んでいることが分かる。
しかし、日本人の人口移動を除き、外国人の人口移動だけを見てみると、一転して東京都は転出超過になっていた。
東京都との間で外国人が転入超過となっているのは埼玉県、神奈川県、千葉県、群馬県など東京都周辺県のほか、滋賀県、北海道、三重県、静岡県、山形県、新潟県など地方の9道県となっている。
地方でも観光客をはじめとしたインバウンド需要に対応するため、自治体が外国人労働者受入強化のための支援体制整備や、外国人留学生を積極的に採用する地方企業の増加が影響しているとみられる。
例えば東京都からの外国人が転入超過となった新潟県は、県内企業での外国人材活用支援と受入れの適正化を図るため、新潟県行政書士会に委託して新潟県外国人材受入サポートセンターを設置した。
また、同じく東京都からの外国人転入数が東京への転出数を上回った滋賀県では、多言語対応だけでなく、やさしい日本語の活用についても言及した滋賀県翻訳・多言語対応ガイドラインを策定するなど、行政が外国人材の受入に積極的に働きかける動きがみられる。
外国人が専門技術や語学を学ぶ環境は東京に集中しがちだが、就職や転職については、人口減少により外国人材を積極的に受け入れようとしている地方で働くという選択肢も、これからはますます増えると予想される。