部屋探しサポートのメリットとは?実は外国人社員が困っている「部屋探し」【株式会社ジャフプラザ】

日本で働く外国人にとって、最初の難関になるのが部屋探しです。日本で賃貸物件を借りたいと思っても、「外国人だから」と断られてしまったり、日本独特のルールや慣習に戸惑う外国人が多くいます。

今回は、外国人専門不動産会社として多くの外国人の部屋探しサポートを行ってきた株式会社ジャフプラザ 営業本部長 菊野 英央さんに「外国人が賃貸物件を探す難しさと日本企業ができるサポート」について伺いました!

話し手:株式会社ジャフプラザ 営業本部長 菊野 英央(きくの ひでひさ)さん

東京生まれ。大学在学中は外国考古学を研究。複数の言語を扱っていたこともあり、海外の価値観などに興味を抱き、カナダのバンクーバーに留学。ビジネスの学校を卒業後にインターンシップ、ボランティア等の経験をする。帰国後、海外の方をサポートする仕事をしたいと思い、まずは教育業界で数年働いた後、株式会社ジャフプラザに入社し現在に至る。
株式会社ジャフプラザ(http://www.jafplaza.com/jp/index.php

日本での部屋探しに多くの外国人が苦労されていると伺ったのですが、具体的にはどのような点が問題なのでしょうか

多くの外国人がダイレクトに不動産会社に問合わせをしても、門前払いされるケースが非常に多いんですね。なぜこのように外国の方が住む場所を探すのが難しいかと言いますと、外国人、不動産会社、管理会社・オーナーの3者間でのコミュニケーションの不安が理由としてあげられます。

まず、外国の方からするとそもそも日本の賃貸の仕組みがわからない。というのも、諸外国では礼金や更新料のシステムがない地域もあり、そのような国や地域からいらっしゃった方は、「なぜそのお金を支払う必要があるのか」と不信感や不安を抱かれる方もいらっしゃいます。

そんなときでも不動産会社からきちんと説明があれば良いのですが、不動産会社の方もきちんと説明はしたくても外国語でのコミュニケーションに慣れていない場合が多いため、双方の言葉がうまく伝わらずにお互いに不安や不満を感じてしまう場合があります。外国人にとっては、不動産会社に物件の希望が伝わっていないように感じられて、不動産会社の言いなりになるのではないかと不安を抱いている場合もあります。

一方、管理会社・オーナー側からすると、「契約内容を理解してもらえているのか」「入居後にトラブルにならないだろうか」「もしトラブルがあったらどうしよう」「家賃が不払いになったら…」といくつもの不安を抱えている方がほとんどです。

よく言われるのがゴミや騒音の問題ですね。他にも日本のルールや慣習を知らないために発生するトラブルなどに対して警戒心を抱かれている方が多いです。また、家賃不払いのまま帰国されてしまうと家賃の回収が難しいこともあり、金銭的な面でも不安を抱いている場合もあります。

日本で働き始めた外国人の場合でも、同じような不安を抱えているのでしょうか

先ほど述べた不安に加えて「日本の会社は何もしてくれない!」という不満を抱えている場合もあります。

例えば、日本で仕事をするために初めて来日される外国籍の方がいらっしゃったとします。その場合、「東京」という場所を知っていても、23区内のどこがどういう場所で、どんな違いがあるのかわからない。なので、通勤方法や通勤時間などもわからないので、働き始める前の段階から不安に思う場合もあります。他にも、家族連れで来日される方も少なくないので、家族全員で住める家となると探すのは更に大変です。

そんなときに、部屋探しを会社から全部丸投げされてしまうとやっぱり不安に感じてしまうと思います。外国人従業員が会社に「部屋探しを助けて欲しい」と要望を出しても「私たちではなにもできないので…」や「自分で探してください」と言われてしまう。そんな状態が続いてしまうと「日本の会社は何もしてくれない!」となってしまうんです。

なぜ、多くの日本企業では外国人従業員に向けた部屋探しのサポートをしていないのでしょうか

「なぜサポートが必要なのか」、「何をどうサポートすればいいのかわからない」が理由に挙げられますね。

まず「なぜサポートが必要なのか」というところですが、企業自体がそこまで外国人の住居問題について重要だと感じていないケースです。日本人と同じように家が借りられると思われている場合ですね。ですが、先ほども述べたとおり実際に外国籍の方ですと入居を拒絶されるケースが日本人に比べて非常に多いんですね。その認識を企業側が改めていく必要があると思います。

また「何をどうサポートすればいいのかわからない」という点ですが、今までの会社のルールでは対応し切れない部分が出てきて戸惑っているケースですね。ただ、現在ではプライベートアパートメント(マンション・アパートのような個室タイプの賃貸物件)以外にもシェアハウスやマンスリーマンションのような居住形態もあります。ですので、シェアハウスに住んでいただく、また仮住まいとしてマンスリーマンションを借りて、その間に部屋探しを手伝うなど様々な方法がございます。もちろん、我々のような外国人専門の不動産会社を頼っていただくという手段もございます。

日本企業が外国人従業員の部屋探しのサポートをするメリットは何があるのでしょうか

外国人従業員からの信頼を得られるだけでなく、そういった部屋探しのサポートを期待して就職先を探していらっしゃる人材を確保できる確率が上がります。外国籍の方はそういう福利厚生の部分もしっかりと見られているケースが多々あります。給料だけではなくそういった入社前後のサポート面がしっかりしている会社が選ばれている印象がありますね。

また、我々のような外国人専門の不動産会社を経由される場合ですと、外国人従業員の方の住居を探す時間と手間が確実に削減できます。また、外国人従業員向けには、外国語での案内、契約内容の説明などを行うことができ、物件のルールなども合わせてしっかりとお伝えできます。ですので、入居後のトラブルを事前にある程度防ぐことが可能です。

また、企業と外国人従業員とのメリットだけでなく、管理会社・オーナー側にとってもメリットがあります。管理会社・オーナー側にとって契約者が法人、もしくは窓口があると「何かトラブルになっても、会社の窓口に連絡すればよい」といった安心感を得られます。最終的には、受け入れてくれる管理会社・オーナーが増えることで外国人従業員の方が選択可能な物件も増えますし、反対に管理会社・オーナーは空き部屋を抱えなくて済む。企業、外国人社員、管理会社・オーナーの3者にメリットが大きいのです。

企業が実際に行っている部屋探しサポートの具体例などありますでしょうか

例えば、弊社では大手英会話学校さんと賃貸提携をしています。ですので、採用された英会話講師の方の住む場所を責任をもって紹介させていただいております。日本に初めて来日される方もいらっしゃいますので、英語対応だけでなく細やかなアドバイスをしています。

実際にどのようなアドバイスかと言いますと、海外の方で「安いスーパーはありませんか?」や「美味しいレストランを教えてください」と日常生活のことで質問されることも多くあります。そういった日常生活で聞きたいことや、困ったことについて色々とお話をお伺いし、アドバイスさせていただいています。これらの事は、直接には賃貸借契約とは無関係ではありますが、お客様が日本で生活をする上での何気ない疑問などに応え、コミュニケーションを重ねていくことで信頼関係を構築するように各スタッフが努めています。

企業や、管理会社・オーナーの手が届きにくいところに我々が入ることで、入居したい外国人も部屋を貸したい日本人にもメリットが大きいです。また、企業としても時間や手間をかけることなく外国人従業員のために部屋を探すことができ、結果として信頼感を得られるという点でメリットがありますね。

編集後記(後編)

日本で働きたいと来日してきた外国人が最初にぶつかる壁が「住居の問題」です。特に初めて来日された方にとっては、日本人とのコミュニケーションに不安を抱えながら、見知らぬ土地で部屋探しをすることは大きな不安です。そのような大きな不安を抱えている外国人従業員のために、企業として部屋探しサポートを行うことで外国人社員からの信頼感を得られるでしょう。もし、外国人従業員の住居についてお悩みの方は、ぜひ外国人専門の不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。

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