グローバル化の進展により、今後は高度外国人材の採用が加速し、商談や会議のための海外出張や、海外からのビジネス客の受け入れなど、外国語で対応しなければならない機会が増えています。しかしこれまで翻訳・通訳スタッフを必要としてこなかった業種の方は、外国人社員を受け入れる方法やメリットについて、改めて整理する必要があると感じているのではないでしょうか。
そこで、今回は外国人翻訳・通訳スタッフの採用を成功させるためのポイントを整理しました。海外企業との円滑なコミュニケーションを実現したい方、生産性を向上したいと考えている企業の方はぜひご参考ください。
外国人翻訳・通訳スタッフを採用するメリット
外国人材の採用拡大や海外進出の加速によって、翻訳・通訳スタッフの活躍が期待されています。特に現地の文化・言語に精通した外国人翻訳・通訳を採用するメリットは次の3つです。
- 外客数増加によるグローバル化への対応
- リーガルチェック機能の強化
- コスト低減
それぞれを見ていきましょう。
1. 外客数増加によるグローバル化への対応
会社の内外を問わず拡大するグローバル化への対応力の向上が期待できます。例えば外国人観光客や海外ビジネス客の受け入れに当たり、正確にコミュニケーションできる通訳スタッフの確保が急務となっています。なかでも中国、韓国、ベトナムなどアジア圏の外客数が急増しており、英語が堪能な日本人人材は多いものの、ビジネスレベルで中国語・韓国語に対応できる優秀な人材は少ないのが現状です。英語を話せないアジア系外国人だとコミュニケーションが図るのも難しくなってしまいます。しかし中国人スタッフが1人でもいれば、中国・香港・台湾・マレーシア・シンガポールなどの地域に対応することができるため、非常に心強い存在となります。
2. リーガルチェック機能の強化
契約調印など書面交付を伴う場面では、契約書のリーガルチェックが必要となります。ミスが許されない作業となるため、日本人スタッフのチェックとともに外国人翻訳スタッフがいれば心強いでしょう。取引相手国の企業文化や特有の用語・略語、商習慣の違いなどを把握した上で、書面の作成とチェックを行えるなど業務の正確性を担保することができます。
3. コスト低減
現在翻訳・通訳スタッフの確保については、派遣会社からの受け入れやフリーランスの逐次採用で対応する企業も多いですが、今後は外国人翻訳・通訳の需要拡大により外部からの調達コストが大きくなることも考えられます。一方、十分な素養を備えた外国人翻訳・通訳スタッフを採用して社内で育成することは、仲介業者・中間コストを削減するだけでなく、将来へ向けて会社の付加価値を高める効果があるので、企業にとって大きなメリットとなります。
外国人翻訳・通訳スタッフを採用する際の注意点
外国人の翻訳・通訳スタッフを採用するときに注意すべきポイントは以下の通りです。
- 「翻訳」と「通訳」の違いを理解する
- 受け入れ態勢を整える
- 処遇とキャリア形成を明確にする
1. 「翻訳」と「通訳」の違いを理解する
「翻訳」と「通訳」で求められる能力・スキルは似ているようで実は異なります。翻訳の役割は、異なる言語の調整を図った上で文書に落とし込むことにあります。相手の言葉への理解を深めることはもちろん、その国の文化・風習まで把握することが求められます。さらに、業界の専門知識、自社及び取引先のサービス内容の把握、法令対応など幅広くカバーする必要があります。
一方、通訳の役割は異なる言語による会話を変換することにあります。言葉の正確さと豊かな語彙力、円滑なコミュニケーション能力などが求められます。さらに、話者が話した不適切な言葉や言い方をそのまま訳さず、言葉を変えて翻訳する臨機応変な対応力も必要です。
つまり「通訳」の経験が豊富だからという理由で「翻訳」の仕事が務まるわけではなく、その逆も然りです。外国人の翻訳・通訳スタッフを採用するときは、本人の適性をきちんと見極めたうえで、適材適所で割り当てることが大切です。
2. 受け入れ態勢を整える
一般的に、高度外国人材は語学力が高いと言われていますが、本人の日本語力向上はもとより、会社の受け入れ態勢の準備や支援制度の確立も重要です。採用後、外国人社員に長期的に働いてもらうには定期的な教育研修の実施や、メンター制度導入などのメンタルケアが鍵を握ります。生活環境も含めた幅広いサポート体制を整えて外国人社員を支援してあげましょう。
3. 処遇とキャリア形成を明確にする
翻訳・通訳スタッフは、多様なスキルが求められるとともに、役員との同行やビジネスでの交渉のための海外出張など、会社や他者の都合で動く場面が多くなります。不規則な勤務形態や求められる役割の重要さを考慮し、賃金やキャリアアップの条件を細く規定した十分な待遇を用意することが大切です。
外国人翻訳・通訳スタッフの採用を成功させるポイント
高度なスキルを求めることになる翻訳・通訳人材は、1人につき複数の役割や任務が集中する可能性があります。仕事のクオリティを高め、生産性を向上させていくのに必要なポイントは以下の通りです。
- 専門分野を分ける
- 翻訳・通訳のスキルアップ
- 日本人社員の語学力向上
1. 専門分野を分ける
グローバル化の下では、外国人役員を構成員とする会議にも同席することになり、経営戦略・経営管理、組織機構、人事、財務管理、コンプライアンス、CSRといった広範な議題への対応が要求されます。一方で、海外進出のためのプロジェクトや商品政策会議などでも同席を求めることが想定されます。この場合、通訳・翻訳スタッフに求められる知識や通訳技術も異なってくるので、専門分野を分け、担当役員や担当部署を決めて採用・育成していくことが重要です。
2. 翻訳・通訳のスキルアップ
外国企業と共同で進めるプロジェクト案件や、海外の拠点との適時かつ密接なコミュニケーションが必要な場合は、Web会議・テレビ会議などのコミュニケーション・ツールの使用が主流となっています。このとき同時通訳、ウィスパリング通訳(無線機を使用した同時通訳)などの高度な対応が求められることになるため、外国人通訳・翻訳スタッフのスキルアップが欠かせません。企業側で専門分野ごとの研修や日本語研修を積極的に実施し、語彙力や表現力、通訳技術の強化に努めてもらいましょう。
3. 日本人社員の語学力向上
職場の国際化も外国人採用を成功させるうえで重要です。社員の語学力をさせることで、外国人社員とコミュニケーションをとる機会が増え、孤立化を防ぐことができます。語学研修には日本人社員にも参加してもらい、双方の文化・言葉に対する理解度を向上させることが外国人スタッフの定着につながり、ひいては労働生産性の向上にも資することになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。人手不足を解消し、国際化する事業活動に対応していくためには、今後は外国人翻訳・通訳スタッフの確保が経営課題の一つとなってくるでしょう。ぜひ上記を参考に外国人スタッフの採用を成功させましょう。
jopus careerの外国人人材データベースには、日本在住の外国人が多数登録しており、そのなかでも日本語能力試験でN1(日本語修得者)および、N2(日本語ビジネスレベル以上)を獲得された方が多いです。また、即戦力人材も揃っていますので、経験・希望・志向を元に貴社に合う人材をご紹介させていただくことが可能です。
無料の登録人材例をご用意しておりますので、外国人採用にご興味のある方は下記からお気軽にお申し込みください。