ベトナム人材の採用を成功させるためのノウハウまとめ

国内では人手不足の煽りを受けて、外国人の採用を検討している企業が増加しています。特に最近では、日本人の若手人材が集まらないコンビニ業界や飲食業界で働くベトナム人留学生が目立ち始めました。現在ベトナム人は国内の在留外国人のなかでも3番目に多く、日本の労働人口不足を補う貴重な戦力となっています。

そこで今回は、ベトナム人留学生・実習生の採用を検討している人事担当者や経営者の方に知ってもらいたいポイントをご紹介します。「ベトナム人はどういう気質なのか」「日本語能力はどの程度なのか」「外国人技能実習制度とはどのような制度なのか」「正社員として雇うことはできるのか」などの疑問に答えるので、ぜひ参考にしてください。

国内の在留ベトナム人数

法務省の在留外国人統計によれば、国内に滞在するベトナム人は2018年6月の段階で約29万人となります。1位は中国で74万人、2位の韓国が45万人で、ベトナムは3番目となります(参考:政府統計「e-Stat」)。

また技能実習生として日本に来ている割合では、ベトナム人が38.6%で最も多くなります。ベトナム人を日本で雇用する場合は技能実習生として受け入れている企業が多いのが現状です。(参考:厚生労働省「技能実習制度の現状」)

ベトナム人の気質と日本語能力

ベトナム人は謙虚で素朴な性格の方が多く、勤勉で真面目に働くと言われます。指示を与えれば素直に耳を傾け、反発することもほとんどありません。年長者を敬う気質もあるため、日本企業で採用しやすい国民性であるといえます。

また外国人採用で最も大きな問題となるのが日本語のコミュニケーション能力です。ベトナムでは一部の中学校で日本語教育が実施されているなど、世界でも日本語学習者が多い国のひとつです。2015年度の調査結果によれば約6万5000人が日本語教育を受けています。2016年からは一部の小学校で日本語が第一外国語として指定されています。多くのベトナム人が日系企業に就職・転職するために学習しており、日本語学習者は年々増加しています。

また外国人技能実習制度を利用する場合、ベトナム人実習生の受け入れを支援する「外国人受け入れ団体」が来日後の数か月間、日本語によるコミュニケーションの勉強を重点的に行ってから入社させています。そのため多くのベトナム人実習生が、入社時点でビジネスに必要な日常会話程度のコミュニケーションが取れる状態になっています。ただし、就業規則のように難解で重要な文書などは、誤解を招かないためにも翻訳して本人に渡すのがいいでしょう。

外国人技能実習制度を利用するメリット

外国人技能実習制度とは、ベトナムやインドネシアなどの若い技能実習生を国内企業が受け入れ技術を習得し、帰国後、母国の経済発展に寄与することを目的とした制度です。日本で技術を学ぶ意識が強く若いベトナム人材を確保できるうえ、国際貢献できることから多くの企業が活用しています。

外国人を直接雇用した場合、文化や慣習の違いから会社に馴染めなかったり、期待する成果をあげられなかったりすることがあります。一方、技能実習制度では、定期的に外国人受け入れ団体から通訳が来社して、本人の不満点などを聞き出し、人事担当者に報告してくれるなどサポート体制が充実しています。

ベトナム人を採用する際に注意する2つのポイント

ベトナム人の技能実習生や留学生の採用で気をつける点について、「技能実習生」を採用する場合と、「正社員」として採用する場合に分けて見ていきましょう。

1. ベトナム人技能実習生を採用する場合

技能実習生制度では受け入れることができる職種・作業が指定されているため、対象職種かどうかを確認する必要があります(詳細はJITCO「国際研修協力機構」などを参照)。在留期間は1人の実習生につき原則3年間です(一部建設業などでは5年間まで延長可能)。
働く意欲のある若い人材を確保できる一方で、期間が限られているため、長期的な雇用ができない点に注意しましょう。

2. 正社員として採用する場合

ベトナム人を技能実習生としてではなく、将来の幹部候補生として活躍してもらいたいと考えている企業や、海外現地の幹部社員に育てるために国内で一度修業をさせたいと考えている場合、正社員として企業で直接雇用することになります。

例えば海外に現地子会社を抱える大企業の場合、現地で雇用した人材を日本国内事業所に送り込んで勉強させることができます。海外で正社員の身分を付与されているため、日本国内での受け入れも簡単になります。

一方、海外に支社を持たない中小企業の場合、海外現地でベトナム人の採用活動を行うという方法があります。もちろん国内にいるベトナム人留学生や転職活動を行っているベトナムの社会人も採用対象になりますが、競争率が高いうえ、大手企業志望であるなどミスマッチするケースが多くなります。

そこで、中小企業が現地の若く優秀なベトナム人学生を確保する手段として、現地ベトナム人の採用を支援している民間会社を通して採用活動を行うことができます。民間会社は独特のパイプをベトナムに持っており、求める人物像や募集条件に応じてベトナム人の就労希望者を紹介してくれます。なお面接の場所などのセッティングと通訳は行ってくれますが、面接は日本企業の人事が担当するのが一般的です。

ベトナム人に安心して働いてもらうコツ

劣悪な環境で働かされたベトナム人技能実習生の失踪事件がニュースでたびたび報道されています。ベトナム人実習生は、外国から単身で日本に来て生活をするだけでも大変な中、仕事も日本の正社員の労働時間と同じだけの時間をこなしています。

「日本に技術を学びに来て良かった」と思ってもらうためにも、定期的に面談を実施するなどメンタルケアをしっかりと行いましょう。また最寄りのベトナム料理店で職場の仲間と食事をしたり、ベトナム人コミュニティを紹介してあげたりするなど、日本でも安心できる場所を人事が提供してあげましょう。積極的に会社の社員と交流をしてもらえるように会社に溶け込めるような態勢を整えてから受け入れることが大切です。